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佐藤洸一のゴールで先制!しかし王者Honda FCに惜しくもドロー

2020年08月23日 

「痛恨のドロー」「勝てる試合を落とした」「一本のコーナーキックに泣いた」と、いろんな表現をしたくなる試合だったかもしれない。しかし90+1分、王者・Honda FCのあの攻撃、あの失点は必然だったように思う。決してネガティブな意味ではなく、相手が王者らしさを発揮した結果だと。

王者にとって十分な時間

ヴィアティン三重は前線から猛烈なプレスをかけ、相手に思うようなプレーをさせず、前半には決定機を多く作ることができていた。そして38分・エース⑱佐藤洸一のゴールで見事先制。その後も、どんな場面でも丁寧にパスを繋いで展開しようとする相手の特徴を早い段階で消すプレーができていた。80分までは。

全体の90%近くを優位に進められていたという手応えのある試合だった。しかし最後の10分+AT、Honda FC怒涛の攻撃。王者は一瞬の隙を逃さなかった。

87分に⑱佐藤洸一、⑨古川大悟を2枚替え、終始身体を張って頭で競り、最前列から猛然とプレスをかけるFWの二人が交代するのは予想していた通りではあった。しかしヘディングが強い二人がピッチを去った後の(セットプレーでの)攻撃をHonda FCはイメージしていたのかもしれない。残り3分+AT4分、王者にとって追いつくには十分な時間だった。

Honda FCの見事なセットプレー

90+1分、左からのコーナーキック。両チームで最も身長が高いHonda FC②池松選手は188cm。そこへ高い弾道からピンポイントでボールを放り込んだキッカー⑩古橋選手。池松選手は誰よりも先にボールに到達し、強烈なヘディングシュートをゴールに突き刺した。相手のプレーながら見事なゴールだった。

同点ゴールを生んだコーナーキックは2本目、いわば蹴り直したようなセットプレーだった。1本目も良いコースのボールが蹴られたが、㉝奥村泰地がいち早く飛び込んで頭でクリア、ふたたびコーナーキックとなった。そして蹴り直しの2本目で失点。奇しくもライブカメラで解説をしていたHonda FCの選手が言っていた通りのゴールだった。「ここは池松選手が頭で合わせて欲しいですね」と。あの場面で絶対に自由にさせてはいけない選手だった。そして相手にとっては想定通りの同点弾だった。

同点ゴールを奪ったHonda FCは「まだ4分あるぞ!!!」と奮い立つ。しかしアディショナルタイムはなんとかしのぎきって1-1で試合終了。終わってみれば「勝てる試合だった」とは思えず「勝つのではないかという期待ができる試合だった」と言える。

そして最後にはみながそう思ったであろう感想がこぼれた「さすがはHonda FCだったな。」と。

手応えを掴んだ価値ある一戦

ここまでまるで負けたかのようなレポートになってしまったが、冷静な評価をすれば自分たちの持ち味を十分に発揮した上で、自分たちがやりたいサッカーをした上で、王者・Honda FCと引き分け、勝点1を手にした。どうしても勝ちたい試合だったことは言うまでもないが、JFL開幕戦、三重県選手権決勝と比較するとチームは大きく成長していたと感じる。

そして⑱佐藤洸一のゴールシーンは本当に鳥肌が立った。

というのも、試合前のアップで凄まじい気迫を放っていたのが佐藤洸一だったからだ。ピッチに表れた時、ボール回しをする時、誰よりも険しい表情で、誰よりも大きな声で仲間を鼓舞していた。試合が始まってからは相手の執拗なマークを受けつつもベテランらしい駆け引きをすることでじわじわと主導権を握り、時には相手を苛立たせる。何度かの決定機を迎え惜しい場面が続くが冷静に次のプレーに向かう。そして38分のゴール。

ちょうどゴール裏右サイド側でカメラを構えていた私の目の前でボールを受けた佐藤洸一、中へクロスを上げるのではと予想した。しかしその予想を裏切る鮮やかなシュート。低く抑えて左サイドネットに突き刺さる見事なゴールだった。

闘志に満ち溢れたプレーの連続

闘志をみなぎらせていたのはもちろん佐藤洸一だけではなかった。前線から強烈なプレスをかける⑨古川、中盤で執拗に追い立てる㉓西村・⑤森主、左サイドでライン際に追い込み二人で連携してボールを奪う㉜井上・⑦塩谷、右サイドのスペースに展開して駆け上がる⑬廣田・③太田、最後列で安定した守備を見せる②大竹・㉝奥村、そして全員に届く声でチームを統率するGK㉑加藤大喜。そしてピッチサイドでは必死に声を届けようとするサブの選手たち。王者から勝点3をもぎ取るには全員で闘う必要があった。

後半に入って決定機会はやや減ったが、ボールへの執着心は衰えていなかった。相手がフリーでボールを持っていても強烈なプレスを掛けにいってミスを誘う。GKへのバックパスも必死に追ってキックミスを誘う。そんな場面が何度もあった。この一戦にかける想いがプレーの端々にまでみなぎっていた。ピッチの外にいたサブの選手たちがかけていた声が耳に残っている「奥!!!行けるぞ、追え!!!よし、サンキュー!!!!」

ヴィアティン三重のハードなプレスはどのチームも想定していることと思う。しかしその想定を超えること、そしてそれを90分間持続させること、それさえできれば勝てると感じさせる試合展開だった。課題はずっと言われてきた「勝ち切る強さ」だろう。

ドローで終えたことについては悔しさ以外なにもない。しかし収穫・手応えは十分にあったはずだ。その手応えは次のFC大阪戦に繋げてもらいたい。リーグ最強の相手に対して得られた《確固たる手応え》を自信に変えて。

※試合後の監督コメントは追って公開します。

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