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百年構想クラブ認定、そして次のステップへ。〜記者会見全文〜

2020年02月27日 

「無事、Jリーグ理事会におきまして《百年構想クラブ》としてご承認を頂きました、ありがとうございます。」

Jリーグ理事会からの電話を切った後藤社長は、喜びと安堵の表情を見せながら集まった報道陣に結果を報告、そして隣に座る山本GMと力強い握手を交わしたのだった。

今回の記事では、Jリーグ理事会から承認の電話を受けた直後に行われた記者会見の模様を詳しくお伝えする。

記者会見コメント

一歩目であり、スタートラインに過ぎない

後藤社長:久しぶりに少し緊張しましたけれども、Jリーグ理事会にて、ヴィアティン三重が百年構想クラブとしてご承認を頂きました。

この百年構想クラブというのは、かつてはJリーグ準加盟クラブという言い方をしていました。名前の通り「準」ライセンスであり、まだ一歩目でありスタートラインに過ぎません。これで安心するのではなく、これをきっかけとしてさらに地域から応援・後押しいただけるクラブとなっていけるように更に頑張ってくださいとのお話をJリーグから頂きました。

昨年12月と1月のJリーグのヒアリングにおいても、まだまだ地域の後押しが弱いという指摘がありました。具体的に言いますと、ヴィアティン三重の名前を知っている人は増えてきており「頑張ってね!」という応援も増えていると思われる。ただ、それだけではなく地域の方々が自分ごと・当事者となり、頑張ってね!から「私が頑張る!」になって頂けるかが大切だという内容でした。

先ほどの新加入選手会見において、選手たちからもヴィアティン三重はサポーターさんが多いという発言がありましたが、確かに熱いゴール裏の皆さんは毎年増えてきていて、とても嬉しく、たくさんの力を頂いています。ただし、これで満足していては駄目ですし、メインスタンドにも(声を出す応援はしなくても)新しいお客様が増えていき、雨の日でも常に2,000、3,000名以上の方が来場するスタジアムにならなければいけないと考えています。平均観客数が少ないということと、地域の後押しが弱いことは比例すると思っています。

魅力あるホームゲームづくりを「やり抜く、やり切る」こと。

ゴール裏で声を出して応援してくださるサポーターさんをはじめ、メインスタンドではおじいちゃんおばあちゃんからお孫さんまで、三世代が集うクラブを目指していますので、今日をきっかけに地域を大切にしながら選手たちとフロントが一丸となって活動していきたいと思います。

みなさま御存知の通り、東員町の陸上競技場が改修工事中で3月のJFL開幕に間に合わせるよう工事が進んでおります。その中で、開幕戦はやはり盛り上がると思いますが、15試合のホームゲーム、夏場の暑い時でも一人でも多くの方にお越し頂けるように、選手たちはホームゲームで勝ち試合を、勝点3を取れる試合を見せようと日々努力しています。あとは我々フロントスタッフが集客に向けての努力・準備を、そして魅力あるホームゲーム作りを「やり抜く、やり切る」ことが大切だと思っています。

集客するための活動というのはクラブの力だけでは絶対に実現できません。サッカー協会、スポーツ協会、商工会議所など色々な団体のみなさまと共に連携しながら、必ず平均2,000名の観客数を達成していきたいと考えています。

24年前に置き忘れた夢へのチャレンジ

山本GM:昨シーズンからヴィアティン三重に加わって、この百年構想クラブ申請が私にとってはとても大きなミッションでした。昨年4月ごろから取り掛かりまして、行政では水谷東員町長をはじめ、朝日町・川越町・木曽岬町・菰野町・いなべ市・桑名市、そしてサッカー協会ではいなべサッカー協会・桑名サッカー協会・三重県サッカー協会、そしてご協賛頂いております企業様、アツいアツいサポーターのみなさま、そして改修工事に関わって頂きました久志本組様はじめ、多くの協力会社のみなさまに大変お世話になってここまで漕ぎ着けることができました。

私個人としましては、24年前に置き忘れてきましたJリーグ参入の夢を実現すべくチャレンジして参りたいと思います。

まだまだ我々が目指すところは高いところにあり、一日一日誠実丁寧に皆様に愛されるクラブを目指していかなくてはなりません。つきましては本日お越し頂いているメディアのみなさまもファミリーとして共に歩んで行くことができればと思っております。忌憚のないご意見をいただければと思いますのでよろしくお願いいたします。

2013年の出来事から7年、足元を固めたJFLでの3年

後藤社長:補足ですが、2012年にヴィアティンが発足し三重県3部リーグからスタートしたのですが、2013年に準加盟ライセンスに一度申請しようと試みたことがありました。J3が翌年に始まる関係で、ハードルは高いと思いながらも申請しました。当然ながらこの当時は三重県2部リーグ所属でして、チーム力や会社の経営状況を含めてもとてもそのレベルに達していなかったので、申請書類を受理すらして頂けなかったということがありました。

2013年、もう7年も前になりますが、そこから1年ずつ昇格を重ねてきました。そしてこのJFLには3年所属しています。クラブが発足してから同一リーグに複数年いるのはこのJFLが初めてだったわけですが、Jリーグというのは非常に厳しい世界で、昇格が早すぎても経営が揺らいだりすることがあったりします。そこでこのJFLにて複数年経験することで、組織もチームもより強くする、足元を固めるための良い時間になっているのではないかと感じています。

地域に根づくというのは本当に簡単なことではないと思っておりますので、あらためて気持ちを引き締め直して、リーグの開幕が近づいておりますが、新入団の頼もしい選手たちもたくさん入ってくれましたので、優勝目指して活動していきたいと思います。

質疑応答(主要な質問のみ抜粋)

記者:平均観客数2,000人を達成するために、具体的にどのような方法を考えているのか?

後藤社長:昨年11月10日のホームゲームで、クラブとしては初めて観客動員数4,000人を超える試合を実現しました。その時は地域の方々のご協力があって達成することができました。それはサッカー協会さん、商工会議所さんはじめ、パートナー企業・スポンサー企業含め、サポーターのみなさんやメディア・報道のみなさんもそうですし、クラブに関わって下さっている多くのステークホルダーと言われる方々、そのいずれかが欠けても実現できないと思っています。

今季も15試合のホームゲーム全試合を同じ方法で4,000〜5,000人集客できるのか?というとそれはハードルが高く、難しいと思っていますので、ポイントとなる試合を定めた上で、例えば5試合で4,000人動員しようとすれば合計20,000人になります。残り10試合で10,000人を動員するといった計算になります。ただ、それで満足するという意味ではなく全体の底上げをしていきたいと考えておりますので、少ないときでも2,000〜3,000名できるような方法を考えています。今年J3昇格されたFC今治さんは雨が降っても2,000名超える動員をされていましたから、同じぐらい地域から応援されることが大切だと思っています。

チームダイレクターというポジションのスタッフを集客の責任者として据えております。彼を中心にスタッフ全員で動く必要がありますので、彼らのチカラでいろいろな成功体験を繰り返してもらった上で、平均観客数を伸ばして行きたいと考えております。

具体的な施策はこの場では話しづらい内容もありますが、昨年の経験・実績をもとに活動していきます。一気に集客の課題を解決できる特別な方法はないので、泥臭く汗をかき走り回る地道な活動を通して、地域のみなさまへ想いを伝えていきたいと思います。コミュニケーションを取る時間が多ければ多いほど関係が築かれ、集客に繋がるものだと思っています。

記者:後藤社長としては、1年でのJ3昇格を目指しているのでしょうか?

後藤社長:はい、先ほどの新入団選手会見でも上野監督が言ったように4位以内を目指し、今年1年での昇格を目指しています。

ただ、過去から繰り返しお話していることでもありますが、ヴィアティン三重の理念「子どもたちを笑顔に、地域と共に夢と感動を」。この理念がクラブの目的であって、Jリーグ昇格することが目的になってはいけません。Jリーグ昇格は「目標」ですね。地域をおろそかにしてしまったり、後ろを振り返ると誰からも応援されていない、必要とされていないクラブになっていたといったことになりかねません。常に理念を大切にしながら、地域の方々と触れ合うイベントに参加したり、地域の小学校を訪問したり、地域のお困り事が解決出来るような存在。「地域と共に」という言葉を忘れずに活動してまいります。

Jリーグが掲げる「百年構想」とは、次の3つの内容で表現されています。

  • あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設をつくること。
  • サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブをつくること。
  • 「観る」「する」「参加する」。スポーツを通して世代を超えた触れ合いの輪を広げること。

ヴィアティン三重ではクラブ設立の時に、この百年構想を軸としてクラブ理念を決め、活動方針も定めました。百年構想ではサッカーだけでなく「スポーツ」という表現をしています。そこが我々ヴィアティン三重が総合型スポーツクラブとなった理由でもあるのです。

プロリーグでなくても地域から必要とされ街のシンボルとなっている欧州のクラブはたくさんあります。欧州と日本のスポーツ文化の違いまで話し始めると長くなりますのでここでは割愛しますが、昨今では日本の若者や子ども達でも夢を持てない子が多くいると感じています。その子ども達に対して、ヴィアティン三重の選手たちが夢に向かって汗をかき真剣に闘っている姿を見せることが大切であるかなと。
夢を持つすばらしさ、感動出来る喜びをスポーツを通して感じて欲しいと思うのです。そのためにJリーグ昇格を目指したいと思います。もちろん街づくりや地域活性に繋がることも期待していますしね。

この百年構想の本来の考え方とクラブ理念を絶対に忘れることなく、チーム目標としての優勝を目指します。ホームゲームで1試合でも多くの勝利をお見せ出来るように頑張って参ります。

記者:J3ライセンス取得に向けての動き、取り組みを聞かせてください。

後藤社長:本日、百年構想クラブとしてご承認頂いたわけですが、明日以降またJリーグの方とコミュニケーションをとりながらJ3ライセンスのいろいろな説明をお聞きすることになります。

J3ライセンスは本ライセンス、百年構想クラブは準ライセンスとなりますが、準ライセンスの段階でかなり厳しい審査をされました。

把握している限りで過去の事例で言うと、百年構想クラブでJ3ライセンスが取れなかったケースというのは、スタジアムの工事が遅れてしまったり、あるいはメインスポンサーさんが離れてしまって極端に収入が落ち込んでしまったりと言った、何かしらの極端な、イレギュラーなことが起こらない限り、今の活動を継続しながら更に成長を遂げればJ3ライセンスも順調に承認頂けると信じて活動をしていきたいと思っています。

6月にJ3ライセンス申請を行い、9月に審査結果が出ます。そして、競技成績(順位・平均観客数)を基に11月のJリーグ理事会での入会の承認を頂くという流れです。

VTM:今回の百年構想クラブ申請にあたって、いろいろな項目、ハードルがあったと思いますが、一番大変だったのはどの項目でしょうか?

後藤社長:お話できるところで一番わかり易いのはスタジアムについてですね。J基準のスタジアムが整備されているのか?それが東員町さんとのお話でずっと進めていたわけですが、東員町さんの11月末の議会で指定管理者としてのご承認を頂いて12月から工事を始めることができました。

従いまして、東員町議会での承認がなければそもそも百年構想クラブの申請ができなかったわけですから、そのために水谷東員町長を始めとする東員町職員のみなさまのご協力を頂いて、そこは山本GMが中心となって動いていたわけですが、いろいろなハードルがありましたけれども、無事に議会での承認を得て工事が始まっていますから、まずそこが一番大きな出来事でした。

あとはホームタウンについて、先ほど山本GMからホームタウンについては列挙してもらいましたが、四日市市だけはまだ入っていない状況で、それについては11月の会見でもご説明させてもらいましたが(過去記事参照:https://www.veertien.jp/fc/news_all/v-mania/25853)、四日市市はスポンサーさんが多い地域です。後援会の会員数で見ると桑名市と四日市市はほぼ同数ではありますが、後援会会長の日本トランスシティ様をはじめ、今年のユニフォームスポンサーさんは全て四日市市の企業様ですし、引き続きご理解頂けるように活動していきたいと思います。

東員町さんをはじめ桑名市さんなどその他の自治体さんにホームタウンのお願いに伺ったところ、皆さまよりご快諾を頂けましたので、その点に関してはハードルというより、とても嬉しかった出来事でした。あらためて「以前より地域の皆さまから応援していただいている」ということを認識することができました。

他には、三重県の状況を見るとライバルチームがありますので、その中で東京や神奈川などの大都市とは違って、この三重県という規模、企業の数も限られている中で、ヴィアティン三重が永続的に経営していくことができるのか?それを説明してくださいといった話もありました。

それにおいて、後援会組織ができたり、パートナー企業の数であったり、企業数については比較的多い方ではないかと認識していますが、ただ一社あたりのご支援を更に厚いものにしていただくように働きかけだったり、そういった営業方針などもJリーグさんの方には提出しました。

それに対して、こういう考え方で動いているのであれば間違いないですね、とお墨付きを頂きました。

提出すべき資料は膨大にあるのですが、実は東海リーグ時代を含めて毎年百年構想クラブ申請を考えていましたので関係書類は、毎年作っていたんですね。経営的な資料や組織図、3カ年計画など準備しているなかで、書類も整備されていますし、財務体質もしっかりしている、健全経営が出来ていますねとおっしゃって頂いていたのですが、スタジアムの整備だけが準備できずに毎年断念せざるを得ませんでした。それらを経て今年の申請・承認に至った次第です。

記者:山本GMにお伺いします。先ほど「24年前に置き忘れたもの」とおっしゃられましたが、その24年前の状況をもう少し詳しくお聞かせください。

山本GM:24年前の出来事というのは、私がコスモ四日市で監督をしていた時にJリーグ参入を目指す立場にありましたが、取り巻く環境が揃わなかった、そしてJリーグ参入というプロセスを、行政も含めて関係各所が理解されていなかったというところもありまして、残念ながらコスモ石油サッカー部は1996年をもって廃部になりました。

私としましては、生涯サッカーに携わるつもりで関わって来ましたが、そういった出来事もあって一旦は社業に専念して、サッカーから一時期離れておりました。

しかし後藤社長との出会いがあってから、またこのタイミングでJリーグ参入を目指すことに携わることができたのは、自分の中では、サッカーの神様が「まだまだ恩返ししてないじゃないか、しっかり地域に貢献してから後進に道を譲りなさい」ということかなと思いました。

それと同時にチームの選手たち、監督含めて、毎日一生懸命にやっている姿と、みなさんをはじめアツいサポーターの方々、関係する全てのみなさまたちが後押ししてくれたことによって、自分で歩いているというより、みなさんに「支えて頂きながら歩いて」ここまでたどり着くことができたというのが実感であります。

従いまして、簡単には諦められないこの年月が自分の中にはありますので、少々のことには動じず、着実に進めることができて嬉しく思います。

補足でございますが、先ほど集客についてのご質問がございまして、ここまで来る過程においても「ヴィアティン三重」という名前を知っていてもスタジアムへ応援に来るというところまで至らない方が多くいらっしゃるのを実感しました。

大切なことはチャンピオンスポーツ(勝敗や記録を目的とするスポーツ)をやっているわけですから、ホームゲームで勝つ、少しでも多く勝つということがとても大事であり、観ていて面白い、楽しい、ワクワクする、また観に来たいというサッカーをピッチ上では展開しなければなりません。

一方で、地域の皆様に愛されるクラブであるためには、サッカー選手である前に、いち社会人として模範的な行動をとらなければなりません。これは地域のみなさまに認めてもらう一番の近道だと思っております。そして「おらが町のチーム」今は桑員地区からのスタートになりますが、ここから北勢地区、三重県全域に「ヴィアティンって面白いね!いいチームだね!」と可愛がられるようなところを目指していくことができれば、自然と来場者は増えて行くものだと思っております。

ー会見の内容は以上ー

JFLの百年構想クラブは6クラブに

今回のJリーグ理事会において、JFLからはヴィアティン三重とFC大阪、いわきFCがあらたに百年構想クラブとして認定された。これでJFLの百年構想クラブは以下の6クラブとなった。(奈良クラブ解除条件付き失格中)

  • ラインメール青森
  • いわきFC
  • 東京武蔵野シティFC
  • ヴィアティン三重
  • FC大阪
  • テゲバジャーロ宮崎

J3昇格に向けては平均観客数2,000人動員、リーグ成績4位以内、そして百年構想クラブで上位2位以内という条件がある。仮にリーグ4位以内でシーズンを終えたとしても、上記6クラブ中の2位に入らなければ昇格は果たせない。

百年構想クラブの認定は新たなスタートライン。チーム成績、観客数、昇格に向けて達成すべき項目は明確だ。着実に前へ進んでいきたい。行くぞJ。We are VEERTIEN!