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野垣内俊インタビュー:the INTERVIEW 2020

2020年02月22日 

ヴィアティン三重に加入して3年目のシーズンを迎えるチームの大黒柱・野垣内俊。センターバックとしてチームを後ろから支え、魂溢れるプレーでファンを魅了する。

今年34歳を迎えるベテランは地元三重県出身、「三重にJリーグを!」の強い想いを抱き「昇格」に向けて誰よりもアツいプレーで2020シーズンを闘う。

いろんな難しさを感じながらも、やりがいがあった2019シーズン

VTM:昨シーズン、チームとして成長したのはどんなところでしょうか?

まず練習について、僕自身が経験してきた中での受け止め方にはなりますが「プロっぽい」ものになりました。プロっぽいという言葉が適切かどうかわかりませんが、朝のスタートから、トレーニングを進めていく流れや組み立てがプロチームのそれに近くなったと感じます。

サッカーの内容について言うと、攻撃はこういうサッカーをしよう、守備ではこういうサッカーをしようというのを明確に示してもらったので、全員がそこに向かってやりやすくなりました。逆に、目指すものが明確になって、良いカタチ、目指すカタチがハッキリしたからこそ、上手く行かないこと、ミスもハッキリしてくる、そういう難しさが同時にありました。

目指すものが出来なかった時は「この感覚はなんなんだ?!」というモヤモヤした感じになりましたね。過去にはそういうスタイルで何年かやった経験はありましたが、久しぶりに質が高さを感じながら練習ができました。新しい選手や若い選手が入ってきて戦術的なところを合わせようと頑張ったり、けれどもなかなか合わせられなかったりという難しさはありましたが、難しい分だけやりがいはすごく感じられた1年でした。

VTM:上野監督の緻密なサッカーはアタマを使うことが多いイメージですが、昨シーズンスタートした当時、監督が求めることを理解したり覚えることが大変そうで、選手たちが必死な表情を見せていましたよね?

そうでしたね(笑)コンビネーションや決められた動きなど、覚えることが多いので、覚えるまでが大変ですね。覚えてしまえば問題はないです。

VTM:そういった約束事や決められた動きというのは、繰り返しトレーニングしているうちに癖づいてくるものですか?

はい、1年通して同じ動きを何度も何度も反復練習したので、試合で実際にその場面になると「お、アレだアレだ!」といった感じで対応することができました。そういう時は上手く連携を取ることができて、良いサッカーができました。

個人の課題:必要なのは「最後のところの判断力」

VTM:昨シーズンは勝点1差で5位か10位かという争いをして、結果10位でした。その勝点1の差を生んだのは僅かな違いだと思うのですが、野垣内選手個人としては昨シーズンを振り返って課題と感じるのはどういったところでしょうか?

僕は失点に直結するポジションなので、ひとつのクリアミスだとか、最後のところの細かな連携などが挙げられます。その最後のところの判断が上手くできたら失点をしなかっただろうし、勝点を取れていたのにという場面があったので、「最後のところでの判断力」が課題だと思います。

VTM:失点や敗戦の責任を背負わざるを得ないポジションを務めていて精神的には負担が大きいんじゃないですか?落ち込むことはありますか?

ありますよ!(笑)ガッツリ失点に絡んでしまって負けた時には、その日はもちろん落ち込みますし、オフ明けのミーティングで失点シーンの映像を見返すのですが、そこでまた「はぁー、こうしておけば良かった…」という感じで…。

今年はその「こうしておけば良かった!」を減らしたいと思っています。

VTM:そういう場面を振り返って寺田選手らと話したりするのですか?

はい、一週間ごとに振り返っての話はしますね。でも個人のプレーに関しては自分の中に残っているので、練習で同じようなミスをしないようにしないように考えながらやっています。でも上手く行かないこともあって、またモヤモヤしたりだとか…(笑)でも周りの選手もいるので助けてもらってやっています。

先制されても折れない、ポジティブな雰囲気作り

VTM:今季は明確に「昇格」という目標が目の前にあるわけですが、昨年を振り返って、昇格する上でチームとしての課題はどういったものがあげられますか?

さっきも話したように、勝点1差であれだけ順位が下がってしまうというのがJFLというリーグだと思いますし、上げればキリがないほど…5〜6試合はギリギリで勝点を逃してしまった試合があるので、本当にもったいなかったと思います。「あそこの勝点さえとっておければ!」というような惜しい試合を無くしたいと思っています。それを無くすことができれば昇格は実現できると思います。

そういう観点からHondaFCさんを見習いたいと感じているのですが、あまり良くない内容の試合でも簡単に負けない。僕らと後期にやった試合でもそうでしたが、僕らが勝てていた展開にも関わらず、最後の最後で追いつかれてしまった。引き分けまでもってこれる、そこからまた逆転してしまうようなチカラのあるチーム。そういうチームが昇格していけると思うので、そういうチームになりたいです。「負け癖」を付けないと言うか、そういう追いつかれ方に慣れてしまってはいけない。もし先制されても「まだまだ行ける!」というプラスの雰囲気を出すことができれば、今年は勢いがつくと思っています。

VTM:今季は佐藤洸一選手も加入しました、同じ四日市大学の同期でもあるお二人ですが、ここでまた一緒にやることになるとは想像していましたか?

いつかはまた…とは思っていましたが、こんなに早く、しかも地元三重でとは思っていませんでしたね。移籍が決まった時に洸一が連絡くれて、「あぁ来るんや…」と(笑)ふたりともいい年齢になってきたので(34歳)できるだけ早くヴィアティン三重を昇格させたいという思いが強いです。

チームが昇格した上で、自分もまたプロとしてやりたいという気持ちが強くあります。

身長174cm・空中戦では相手より先にボールに触る

VTM:今年でヴィアティン加入3年目?ですね。もう随分前からヴィアティンに居るイメージですが(笑)

それよく言われますね(笑)サポーターさんにもよく言われます。

VTM:あと、プロフィールを見て驚いたのが、身長174cmで意外と高くないんですよね。でもめちゃくちゃ跳びますよね?ジャンプ力には自信があるのですか?

そうですね、ジャンプ力は割とある方だと思います。センターバックをやるようになったのは高校からなんですけど、そのころから気にしているのは、跳び方だったり、身長が高い相手と対峙するときは先に相手を自由にさせない動きを少し入れたり、そういうところはできるだけ工夫しています。とは言えどうしてもパワーで負けるときもありますけどね。でも大きい選手でも自分から上手く誘導できると、高い選手の上からボールに触ることができるので、ヘディングの場合だったらできるだけ早めに跳んで、相手より先にボールに触ることを意識しています。なのでジャンプ力は割と頑張ってますね(笑)まだまだ行けると思ってます。

三重県全体を巻き込む雰囲気を作り、必ず昇格!

VTM:最後に、応援してくれているみなさんにメッセージをお願いします。

以前から「三重県にJリーグを」というのを切実にずっと思っていて、そんな中サポーターも着実に増えてきている、あと周りの他チームの選手からも「ヴィアティンのファン増えてきてるよね、サポーターすごくアツいよね!盛り上がってるよね!」と言われることが多くなりました。そこはJリーグチームになるためのステップを、選手とサポーターが一緒に着実に登っていると思っています。

そして今季はクラブとしても昇格に向けての補強に動いたり、スタジアムの事も大きく前進したことも含めて、どんどん周りを巻き込んでいくチカラも生まれてきていると思うので、サポーターはじめ応援してくれる皆さんにはとても感謝していますし、それに応えることが僕たちの仕事・役目だと思っています。

VTM:これまではJリーグライセンスの話をするにもスタジアムの問題が解決していなかったりと、目標には向かっているものの先が見えない部分がありましたよね。

そうですね、昨シーズンは4位以内という目標を掲げてはいましたが、(4位以内に入っても昇格できないという状況の中)最後の方でふわっと終わってしまったところは良くなかったと感じています。

今年は僕たちは結果を出すことに全力を注いで、クラブに対してもファンの人達に対しても「僕たち結果出しましたよ!」と胸を張って言える、胸を張って終われるようにしたい。

VTM:選手は4位以内という結果を出すこと、クラブとしては平均2,000人の観客を動員すること、それぞれの役割分担がありますね。

集客に関してもチームが勝って、良い試合を見せればもっと盛り上がると思います。「最近ヴィアティンの試合面白いらしいよ!」というのが広がるように、僕らは結果で応えて行きたいと思います。そうすれば三重県全体を巻き込めるようなチームになると思いますし、良い雰囲気を作っていきたいと思っています。