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4,014人の衝撃。今季3度目の三重ダービーはスコアレスドロー。

2019年11月10日 

試合終了間際、スタジアムMCのアナウンスにどよめきと歓声、拍手が起こった。

「本日の来場者数は、4,014人でした」

令和元年、今季3度目の三重ダービーはスコアレスドローという結果に終わったが、サッカーの素晴らしさ、面白さ、難しさなども含めて、4,014名もの人たちに我々ヴィアティン三重のホーム東員で、三重県サッカーのパワーを感じ取ってもらうことができたはずだ。

ヴィアティン三重 0-0 鈴鹿アンリミテッドFC
(前半0-0・後半0-0)

試合終了後・上野監督コメント

試合を振り返っての感想をお願いします。

まず最初に、今日は4,014名の方にお越しいただき、本当にありがとうございます。駐車場に入れない方がいらっしゃったなどの話も聞きましたが、試合中にも芝生エリアにどんどんと人が増えていく様子が見えて、素晴らしい雰囲気で試合ができました、ありがとうございました。

試合に関しては、固い試合になりました。

選手たちに緊張はあったと思います。たくさんのファン、サポーター、観客の皆さんが来てくださって、固さもあったと思いますし、ダービーということもあって「負けられない試合」という想いも強いですから、そこから来る固さもあったと思います。

普段であれば通っているパスも、なにげないトラップもミスしてしまったり…ミスが多い試合になりましたけれども、それは緊張も含めて気持ちの部分から来るものだったと思います。それでも何度か決定的なチャンスも作りましたし、後半最後の平信が持ち込んだシーン「もう中は見えなかった…」と本人は言っていましたので、緊張していたんだと思います。

0-0という結果について、本当は勝ちたかったですが選手たちは本当によくやってくれたと思いますし、一生懸命にプレーしてくれました。以上です。

記者:今日は三重ダービー、鈴鹿アンリミテッドFCが相手ということで、どういった点に注意するように選手たちには伝えていましたか?

まずは自分たちのやるべきことをしっかりやろう、自分たちのことに集中してやり切ろうと。守備に関して言うと、鈴鹿さんは前のエフライン選手に入れてくるので、そこを挟み込んだり、13番の遠藤選手への対応など、選手個人への対策を中心に準備してきました。

攻撃についても、奪ってからのカウンターなど自分たちがいつもやっているプレーをしっかりとやりきれば点を取れるんじゃないかと考えていました。

記者:その部分についての感想はいかがですか?

守備としては0点に抑えることことができましたのでよくやってくれたと思います。攻撃については先ほども言いましたように緊張もあってパスが通らなかったり、カウンターでうまく持っていっても何度もオフサイドになったりとか、タイミングが合わなかったり、ちぐはぐなところがありました。でもよくやったと思います。

記者:守備の方は危なげなかったと思います、攻撃は押し込んだ状態で(点を)取り切れなかった。パスが通らなかったという話もありましたが、鈴鹿の守備が思ったよりコンパクトだったとか、そういった印象はありますか?

相手のベンチからは「コンパクトに!」という声が何度も聞こえてきましたし、コンパクトにしようとしていたように感じます。実際にゴール前は固められていましたが、それでも破れるような練習をしてきましたので、それを出せなくて残念です。

記者:1年かけてチーム作りを進めてきて、かなり判断が速くなって、いわゆる変なプレーがなくなってきたと思います。ここ数試合それがしっかりと出来ていたが、今日の試合では出しきれなかったという見方になるのでしょうか?

はい、そうだと思います。日頃みんなもっと伸び伸びやっていますし、もっとパスも通ります、一番の原因は「見えなかった」らしいです。(笑)

それだけやはり力が入っていて、周りを見ることが出来なかった。それも経験だと思います、選手たちは良い経験をしたと思います。もっと成長していってくれると思います。

VTM:リーグは残り3試合となりました、今節は引き分けの試合が多く順位の変動があまりありませんでした。(まだ4位以内の可能性が残る中)4位以内という今季の目標達成に向けて意気込みを聞かせて下さい。

チームは成長してきていると思います。選手たちも成長しています。ここ5試合を振り返るとHondaFC戦も含めて「引き分けではもったいない」という印象になっていると思います。残りの3試合、しっかり勝ちきりたいと思いますし、まだ4位以内の可能性があるのならば、全力で準備して闘っていきたいと思います。

鈴鹿アンリミテッドFC・ミラグロス・マルティネス・ドミンゲス監督コメント

まずヴィアティンさんに感謝したいのは、このような素晴らしい雰囲気のスタジアムを作って頂いてありがとうございます、たくさんの観客がスタジアムに足を運んでくれるよう働きかけてくれて本当にありがとうございました。

試合が始まる前から、激しいゲームになるだろうと予想していましたので、普段自分たちがやっているプレーとは少し違ったプレーをすることも多かったです。でも無失点で終わることができて、しっかりと闘うことができたのは評価できることだと感じています。

VTM:ヴィアティン三重についてはどういった特徴を感じ、どのような準備をして試合に臨みましたか?

ヴィアティンさんは激しいプレスで厳しく、強く闘ってくるチームだと認識していました。特に奪ってからの素速い攻め、ボールを失った後の切り替えの速さが特徴だと思います。今週はヴィアティンさんのそういったストロングポイントを出させないようにするにはどうすればよいのか?これを一週間考えて準備してきました。

記者:0-0という結果は想定通りなのか?不満が残る結果なのか?いかがでしょうか?

0-0という結果は自分たちにとっても、恐らく相手にとっても価値のある結果だと思います。相手のホームで、この雰囲気のなか勝点3を取ることは難しいことですし、先日HondaFCさんもここ東員で2-2で引き分けているように、難しいゲームになると考えていましたので、この勝点1という結果は決して悪いものではないと言えます。

記者:リーグの1試合ではありますが、ダービーマッチという重みはどういったものでしたか?

通常のリーグの試合とは違って、ダービーというのクラブにとっても、自分たちにとってもとても重要なことです。唯一、ゴールシーンをファンのみなさんにお見せできなかったことは残念ですが、両チームにとってこれだけ多くの方々に試合を観てもらうことができたことは本当に素晴らしいことだと思います。ありがとうございました。

前半・大観衆とダービーの雰囲気に押され、ペースが掴めないヴィアティン

強い日差しが照りつける東員町スポーツ公園陸上競技場、試合前からやや風が出始め、ヴィアティンがコイントスで風上を選択、試合開始。

開始から動きが固いヴィアティンの選手たち。ショートパスが相手に引っかかったり、カウンターから一気に攻めようにもわずかにタイミングが合わずオフサイドの判定。鈴鹿のディフェンスラインもウラへの飛び出しを意識してしっかりとコントロールされている。サイド攻撃を何度もチャレンジするがオフサイドを繰り返す。

19分、ゴール付近右サイドのスローインからチャンスが訪れる。

その後もチャンスは多くなく、前半のシュート数はわずかに3本。0-0のまま後半へ。

後半・立ち上がりにピンチを迎えるも拮抗した展開

後半立ち上がりいきなりピンチを迎える。自陣でボールを奪われ一気に畳み掛けられる。アーリークロスを放り込まれるが進藤㉒が身体を寄せて凌ぐ。

その後も互いに一進一退の攻防を展開するも決定機には至らない。

奪ってからのカウンターと短いパスを繋いでサイドから崩しにかかるヴィアティン。一方、ロングボールを有効に使ってサイドチェンジ、ディフェンスラインから⑦エフライン選手に当てて落とすポストプレー、アーリークロスで一気にゴールに迫る鈴鹿アンリミテッドFC。後半の中盤はやや鈴鹿ペース。何度か危ない場面を迎えるが、野垣内⑰・西村竜馬㉟・加藤大喜㉑がしっかり守って跳ね返す。

後半32分、寺尾に代わって入った平信が決定機を迎えるが、中に詰める塩谷⑱のことは見えておらずシュート、惜しくもサイドネット。

後半残り10分を切って相手陣地でプレーする時間が増え、セットプレーのチャンスが何度か訪れるがゴールには至らず、鈴鹿ディフェンス陣の硬い守備を打破できない。

終盤は完全にヴィアティンペース、何度もゴールに迫るがゴールネットを揺らすことは出来ず、試合終了のホイッスルが鳴った。

4,000の期待を背負って闘った選手たち

何日も、何週間も前からこの日のために多くの人たちが、それぞれの場所で準備に駆け回った。当初目標2,000人を大幅に上回る観客数、今季はあまり天候に恵まれないホームゲームが多かったが、今日に限っては最高の青空。多くの鈴鹿サポーターも駆けつけ、試合前から会場は普段の何倍もの熱気に包まれていた。

そして4,014人の大歓声に後押しされながらも、全体を通して固い試合展開。ゴールは生まれずスコアレスドロー。

これもまたフットボール。

試合内容・結果に関しては、どれだけ多くの人たちが必至に準備をしてきても予測不可能。予測できないからこそ面白いとも言える。ただ、ゴールに湧く瞬間を4,000人で共有したかった、勝利の歓びを4,000人で味わいたかった。

その感動、歓びは次回のホームゲームまで持ち越しとしよう。

ゴールこそ生まれなかったが、三重県内で4,014人がひとつのスタジアムに集結し、全員でこの空間の雰囲気を共有したというのはまぎれもない事実。今日、この場に居合わせた人それぞれが何かを感じ取ってくれていたらとても嬉しい。そしてこれがまた三重県サッカーの新たな歴史を作る一歩に繋がると信じたい。

三重県サッカーのポテンシャルは十分、伸びしろは大きい。

そして、今日スタジアムに来てくれた子どもたちは、ぜひ明日学校でヴィアティン三重の話、サッカーの話をたくさんして欲しい。そしてまたスタジアムで会おう!

We are VEERTIEN, FOOTBALL PLEASURE!

 

第21回 JFL・第28節 アウェー

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