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鈴鹿アンリミテッドFCに劇的勝利・天皇杯出場決定!

2019年05月12日 

令和最初の三重県選手権決勝・天皇杯代表決定戦は文字通り死闘となった。そして死闘を制したのは我らがヴィアティン三重だった。

120分で決着つかず、加藤大喜がPK連続セーブで勝利!

背番号21番・ゴールキーパーの加藤大喜。キッカーの動きを完全に読み、ドンピシャのタイミングで相手のPKを止めた。それも続けて2本も。最後は4人目、ヴィアティン三重・⑱塩谷仁が冷静に決め、三重交通Gスポーツの杜鈴鹿に歓声が響き渡った。

4年越しの悲願を達成した瞬間だった。

120+4分・森主麗司、魂の同点弾

誰もが諦めかけていた延長後半アディショナルタイム、時計は残り1分足らず。相手エリアの外、右サイドにこぼれたボールを㉚平信が拾いゴール前にクロスを上げる。ゴール前にはヴィアティンの選手が多い。平信が高めにあげたクロスはゴール前中央に位置した森主にピンポイントで合わせた。

鈴鹿アンリミテッドFC②原選手(身長173cm)⑮中村選手(身長183cm)と競り合う森主(170cm)、頭で合わせたボールはゴール右隅に吸い込まれた。

人差し指を突き上げ、芝生エリアに陣取るサポーターに駆け寄る。最後の最後で追いついた。これで試合を決めたわけではないが、完璧なゴールだった。そして奇跡のようなゴールだった。

すでに脚が痙攣していた森主

完璧なゴールに対して「奇跡」と評するのは失礼かもしれないが、本当に奇跡のようなゴールだった。というのも、ゴールを決めたプレーの直前に、左サイドのゴールラインの深いところから右足のアウトサイドで低いクロスを上げた森主、その時すでに脚がつってしまい動けなくなっていた。

それにも関わらず、自分より長身の高い選手たちと競り勝っての同点弾。124分もの間、誰よりもハードワークした森主が、相手よりも高くジャンプして決めたのだった。

布石となった相手GKの退場。そして平信の執念。

延長後半アディショナルタイムのドラマの布石となったのは112分、相手GKの退場だった。相手DFラインが自ゴールに向かって転がったボールを処理する際に少し緩んだように見えた。そこを見逃さなかったのが延長後半から㉜井上丈に代わって入った平信だった。

転がるボールを猛然と追いかける平信は一瞬でトップスピードに乗り、相手GKより先にボールに触った。そしてGKを交わしたあとに交錯、転倒。ゴールは無人、抜ければ完全に同点のチャンスだった。

残り3+4分、一人少なくなった相手に対し猛攻を仕掛けたヴィアティン。最後まで諦めずに攻め続けた結果が劇的同点弾のシーンに繋がった。

最大のテーマは「メンタル」

試合の4日前、東員町の練習場を訪ねた。

数日前にはリーグで鈴鹿アンリミテッドFCに勝利したヴィアティン三重。三重県選手権決勝を前に緊張感漂う監督・コーチ、そして選手たち。そんな中、ほぼ毎日練習に来ている山本GMに声をかけ、少し話をさせてもらった。

VTM:先日の勝利を踏まえて、2週連続で同じ相手、それも鈴鹿アンリミテッドFCと対戦するわけですが、一番の課題は何でしょうか?

山本GM:メンタルですね。勝ちはしたものの、技術的にも戦力的にも鈴鹿さんが強いことをあらためて体感させられました。そしてその強い相手に勝つことができた。その勝ちで気持ちが緩んでしまうのが一番怖いですね。監督もそこを一番気にかけていて、ミーティングでそれについて選手たちと話をしました。選手たちはそれを理解し、きっちりと切り替えて練習に臨んでくれています。

今日の選手たちには先週勝利したことによる緩みは一切なかった。それは試合を観ていた人全員が感じ取ったはずだ。

メンタルを裏付ける圧倒的な運動量、その原動力となった練習量。

試合を終えてからNHKの録画をチェックした。解説の伊藤さんもおっしゃっていたが、ヴィアティンの猛烈なプレスが120分途切れることがなかった。スタメンで出たベテランの坂井⑥と北野⑩、ボランチでプレッシャーをかけ続けたキャプテン西村仁志㉓と森主⑳、彼らだけでなく、全員がとにかくよく走った。

そして忘れてはならないのが寺田④が決めた先制点の場面。これも練習量がゴールに繋がったシーンだ。高さがある選手の枚数は少ないが、それでも競り勝って決める。こぼれ球をどうやって詰めるのか?誰が中に入るのか?日頃のトレーニングで選手たちが何度も何度も繰り返してトライしていて、その精度が確実に高まって来ている証だと言える。セットプレーはヴィアティンの強力な武器になりつつある。

ピッチに立った全員がハードワークを見せて追いつき、最後は強靭なメンタルを見せたGK加藤大喜が勝利を手繰り寄せた。

メンタルが問われる大切な一戦で、選手たちのハートを支えたのは圧倒的な運動量とそれを支える日頃の練習量だった。

最後の1秒まで諦めなかったオレンジ色のサポーターたち

ピッチを駆け回る選手たちにあのプレーを見せられて、応援する側が奮い立たないはずがない。その逆も然り。あの応援に後押しされて奮い立たない選手はいない。全員で闘って掴んだ4年越しの勝利。最高の勝利で三重県選手権を終え、見事天皇杯代表の座を勝ち取った。

ここからがスタート、いよいよ天皇杯!

しかし、ここからがスタートだ。そう、いよいよ天皇杯本戦が始まる。初戦の相手は兵庫県代表の関西学院大学。昨年のインカレでは準々決勝で法政大学(法政大学はインカレ優勝)に敗れてはいるが、西の強豪である。決して油断できない。

1回戦に勝てばJクラブ(湘南ベルマーレ)との対戦が待っているが、まずは初戦突破に全力を注ぐのみ。ここからもメンタルが重要だ。

でも、今日だけは選手もサポーターも勝利の喜びに目一杯浸ろう。みんな、おめでとう!

JFL 第8節・ホームゲーム vs FCマルヤス岡崎

  • 日程:2019年5月19日(日)
  • 対戦相手:FCマルヤス岡崎(現在1位)
  • 会場:東員町スポーツ公園陸上競技場
  • 開始時間:13:00
  • 令和初のホームゲーム!

天皇杯 JFA第99回 全日本サッカー選手権大会 1回戦

  • 日程:2019年5月26日(日)
  • 対戦相手:関西学院大学(兵庫県代表)
  • 会場:三重交通Gスポーツの杜 鈴鹿・メイングラウンド
  • 開始時間:13:00

公式戦550ゴールは森主麗司選手!

最後に、今日の試合で同点弾となった森主選手のゴールがヴィアティン三重(ヴィアティン桑名時代含む)の公式戦通算550ゴールとなる。クラブにとってもサポーターにとっても、そして三重ダービーの歴史においても忘れられないメモリアルゴールになることだろう。