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四日市で大分に敗れ、昇格の夢ついえる…。

2023年11月06日 

 

2023年11月5日 JFL第27節、ヴェルスパ大分に敗れたことで今シーズンのヴィアティン三重の挑戦は、ひとつの区切りを迎えることになった。今シーズンのはじめに掲げた「JFL優勝、そしてJ3昇格」という目標だったが、3試合を残して3位以下が確定、その目標は来シーズンへ持ち越しとなった。

初夏のような陽気に包まれた四日市市中央陸上球技場、今節は四日市開催のホームゲームだったが目標達成への僅かな臨みをかけるヴィアティン三重を応援しようと1,461名の観客が詰めかけ、試合前から競技場の外はとても賑わっていた。試合は前半にヴェルスパ大分がフリーキックのこぼれ球を押し込んで先制、後半に入っても拮抗した展開が続き、試合が終盤に差し掛かった82分、途中出場の㉘吉田篤志のミドルシュートで同点に追いつく。しかしその直後にカウンターを受けて失点、最後まで死力を尽くしたヴィアティン三重の選手たちだったが追いつくことはできないまま試合終了。僅かな望みが消えたと同時に、今季二度目の四日市でのホームゲームは幕を閉じた。

 

第25回 JFL第27節・試合結果

ヴィアティン三重 1-2 ヴェルスパ大分
(0-1/1-1)

  • 29分:⑨山﨑 一帆・ヴェルスパ大分
  • 82分:㉘吉田 篤志・ヴィアティン三重
  • 83分:㊵中井 崇仁・ヴェルスパ大分

 

 

前半・立ち上がりにペースを掴めず失点

 

気温22℃、ときおり陽が差す四日市市中央陸上競技場、ややピッチコンディションが悪い中アウェー大分ボールでキックオフ。コンディション不良の選手が数名出たヴィアティン三重、ほとんどの試合でスタメンに名を連ねていた⑩田村、⑤菅野、㉔池田を欠いたメンバー構成で1トップは前節に続いて⑱エフライン・リンタロウ、左サイドハーフに⑮梁、右サイドバックに⑳金が入る布陣。

細かくボールを繋いでヴィアティン三重陣内でボールを回す大分、裏のスペースを狙ったロングボール、前のリンタロウのポストプレーを狙ったロングボールで一気に相手ゴール前まで運ぶヴィアティン三重。立ち上がりは大分がボールを保持する展開で試合が進むが、集中した守備で相手にチャンスを作らせない。攻撃では長いボールを入れて左サイドの梁を走らせ、相手ゴールに迫る。ボールが弾む固いピッチ、踏ん張ると脚を取られる滑るピッチに両チームとも細かなミスが目立つ。

 

 

14分、細かくボールを繋いで運ぶ大分、ヴィアティン三重ゴール前でミドルシュート、ここはGK①モリケンの正面。やや大分の流れで試合は進むが、中盤の積極的な守備でボールを奪うヴィアティン三重、奪ったところから縦に速い攻撃を狙う。しかしパスの精度を欠き相手にボールが渡る場面が多い。

27分、ヴィアティン三重陣内で⑰野垣内のファール、大分にフリーキックを与える。距離は30m以上、キッカーの蹴ったボールが壁にあたりゴール横にこぼれる、そのセカンドボールに大分の選手が反応、グラウンダーのクロスを入れそれに合わされて失点。セカンドボールの出足で負け、中でも先に詰められてゴールを許してしまった。

 

 

失点したところから少しずつ相手陣内でのプレーが増え始めるヴィアティン三重、両サイドを使ってボールを運び、サイドを守られる時は中央からリンタロウに当てて落としながらゴールへ近づく。しかししっかりとブロックを作って守る大分の守備陣、簡単には崩せない。35分を過ぎたところからヴィアティン三重がボールを持ち始める。効果的な斜めのパスを入れ、選手がポジションを入れながら相手の守備の裏をかいて大分ゴールに迫る。38分、短いパスを何本も繋いで崩すポイントを探るヴィアティン三重。粘り強く繋いで右サイドに展開、寺尾からのパスをワンタッチで裏のスペースに出す金、そこへするすると抜け出した児玉、中を見てクロスを入れる。リンタロウの足元に入るところで相手DFが身体を張ったクリア、少しずつ流れを呼び込んで良い攻撃の形を作った。

 

 

 

ここからヴィアティン三重優勢の時間帯、しかし相手の守備は固い。ゴールには迫るものの決定的な場面を作れないまま終わるかと思われた前半終了間際、最終ラインの野垣内からグラウンダーの長い縦パスが藤澤に入りフリックして左サイドの梁へ、ライン際でキープし後から上がってきた森主とのワンツーで裏に抜けライン際の深いところからワンタッチで中に入れる。中央のリンタロウがドンピシャであわせたがオフサイドの判定。1点ビハインドのまま後半へ。

 

後半・吉田渾身の同点ミドルも直後に失点し敗れる

 

入りから積極的な守備で相手にプレッシャーをかけるヴィアティン三重、前半途中からの良い流れを継続する。49分にはカウンターから危ない場面を迎えるがここは相手のシュートが精度を欠き事なきを得る。流れこそ悪くはないものの、ボールを繋いで展開していきたいところでバウンドが変わったりパスミスが目立ちボックスに侵入するところまで運べない。54分にはショートカウンター気味に一気に大分ゴール前までボールを運んだが、競った寺尾が頭で合わせるも固い守りの最終ラインに挟まれ決定的な場面までは至らない。

 

 

後半の中盤は互いにボールが収まらない膠着状態。しかし64分、最終ラインの上田がボールを受け、相手選手3人を引き付けながらドリブルでボールを運ぶ。相手陣内半分まで運んだところで左に開いた梁へはたく。受けた梁がボックス内までドリブルで持ち込みシュート。やや身体が左に流れ惜しくもサイドネット。互いに小学生時代からの戦友、上田&梁のコンビでチャンスを作った。

 

 

 

65分、㉟寺尾に代えて⑨大竹、⑦森主に代えて⑬安西が入る。後半に入ってから相手にチャンスらしいチャンスは作らせていなかったが、72分にゴール前でピンチを迎える。右サイドからクロスが入りゴール前の密集で繰り返しシュート体勢に入られるがヴィアティン三重DF陣がしっかりと身体を寄せて前を向かせない。三度のピンチをしっかり凌いでGKモリケンがキャッチ、集中を切らさない。

76分、⑮梁に代えて㉘吉田、⑯橋本に代えて⑧澤が入る。⑱エフライン187cm・⑨大竹182cm・㉘吉田183cmと大型FW3枚でゴールを狙う。80分、大分のコーナーキック、ショートコーナーからずらして上げ直そうとする相手選手のところへ交代で入った澤が猛然とプレッシャーをかけボールを奪う!そのままカウンターでボールを運ぶ澤、寄せに来る相手を蹴散らし更に運ぶ。前方で要求するリンタロウへパスを送る。しかし、相手にひっかかってしまう。セカンドボールを回収して勢いをそのままにゴール前の大竹に入れ身体を捻ってシュートを打つ大竹、しかし枠を捉えれらない。

 

 

 

勢いを掴んだヴィアティン三重、サポーターの大声援が後押しして更に勢いが増す。試合が終盤に差し掛かり激しさが増す両チームの選手立ち。中央での奪い合いからセカンドボールを拾ったリンタロウ、足元のテクニックを見せて相手DFをかわし右のスペースから上がってきた吉田に預ける。ゴールまでの距離は40m近い。前のスペースが開き顔を挙げた吉田、迷うことなく左足を振る。相手選手に当たり再び転がったボールは吉田の足元へ。ここも迷うことなく左足を強く振る吉田、またも相手選手に当たったがディフレクションしたボールが角度を変えてゴールへ飛ぶ、逆を突かれる軌道に相手GKは反応できず。吉田の魂がこもったゴールで同点に追いついた。吉田は今季JFL初ゴール。

 

 

待望の同点弾に活気づくサポーター席、あとは逆転ゴールを狙うのみ。しかし同点ゴールから1分、左サイドから相手がショートカウンター気味にボールを運ぶ。前がかりになっていたヴィアティン三重の選手たちが必死に戻る。左からのクロスが入り一度は藤澤が跳ね返すがクリアが小さく中央から来た相手選手に渡ってしまいシュート。あっという間に勝ち越しゴールを許してしまった。たった1分の出来事に倒れ込むヴィアティン三重の選手たち。残り時間はアディショナルタイムを含めて10分あまり、まだ時間はある。

 

 

追いつきたいヴァイティン三重、前線の180トリオを目掛けてボールを送り続ける。86分、左サイドから澤がボックス内に持ち込み中へクロス、ゴール前には密集する大分の選手たちに囲まれた大竹、うまくあわせられないが走り込んだ吉田がシュート、しかし相手がブロック、セカンドボールを安西が拾いシュート、ここも相手のブロックに阻まれる。88分、⑰野垣内に代わって②谷奥が入る。その直後、右サイドからボックス内で金がチャンスメイク、しかし倒れ込みながらのクロスは直接相手GKがキャッチ。

 

 

前から必死にプレッシャーをかけに行くヴィアティン三重の選手たち、90+2分には安西からゴール前の吉田に良いボールが入ってシュートまでいったが相手も簡単にはやらせてくれない。最後まで前へ前へと必死のプレーを続けたがアディショナルタイムの4分が経過し試合終了が鳴り響き、同時にここで今季J3昇格の目標は終わりを告げた。

 

 

試合全体を振り返れば序盤こそ相手にペースを握られ受けてしまう展開になっていたが、最初の失点以降はやるべきことを徹底し、少しずつ流れを引き寄せ、自分たちの形を作れるようになっていった。82分には吉田のゴールで追いつき勝負はここからだ、という展開だったにも関わらず、その直後にすっぽりと何かが抜け落ちたような1分間が待っていた。再びファイティングポーズを取り直し、最後までゴールを狙う勇敢さは見せていたが届かなかった。

全員が死力を尽くしていたことは間違いない、そして今シーズン同じような展開を何度も見てきた我々は今日こそはやってくれる、今季ホームでは負けがないヴィアティン三重は絶対に追いつける!そう信じて声を飛ばし、見守り続けた。それでも思ったとおりにならないのがフットボールなんだ。それをまたしても思い知らされた。今回も思い知らされた。今シーズンのJFLは夏頃からずっと混戦が続き、27節を終えた時点でも7位までが2位に入る可能性を残している。しかし我々の可能性はここで終わった。

 

 

昇格が消えたという事実は事実として受け止めると同時に、まだシーズンは終わっていないという事実もある。全30節のうちの1割、3試合が残されている。今節の数日前に樋口監督の退任が発表されたが、樋口監督が言い続けた通り、ヴィアティン三重としての勝ちを示す3試合にしなければならない。三重の象徴としての存在に恥じないプレー、恥じない姿勢で、誇れるフットボールを見せよう。

ヴィアティン三重の闘い・挑戦は続いている。Never Stop Challenging、PRIDE OF MIE、BE BRAVE。ここまで掲げ続けてきた想い、それは昇格という目標が果たせなかったとしても示し続けなければならない、僕たちのスピリットなのだから。

 

 

試合運営サポートは四日市中央工業高校サッカー部のみなさん!

四日市開催のホームゲームでは、四中工サッカー部1〜2年生の皆さんが元気にサポートしてくれました!この前日には同じ場所で四中工Aチームが三重県高校サッカー選手権準決勝に勝利し、決勝に駒を進めています。四中工の皆さんありがとうございました!そして決勝もがんばってください!

三重県高校サッカー選手権決勝は11/11(土)に三交Gスポーツの杜鈴鹿で開催されます。その翌日には同じ場所でヴィアティン三重 vs 鈴鹿ポイントゲッターズの三重ダービーが開催!来週末はお互いに熱い週末にしましょう!

 

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