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先制するも終盤に追いつかれ、好調浦安を相手に痛恨のドロー

2023年10月23日 

 

2023年秋、秋桜が風に揺れる東員町。ヴィアティン三重のホームスタジアム「ラピスタ」の北側にはコスモス畑が広がっていて、試合前にはスマホ片手にポーズを取る人たちで賑わう。そしてこの日はイオンモール東員10周年記念・スペシャルマッチデーとしてヴィアティン三重のホームゲームが開催された。フィールドプレーヤーはコスモスが描かれたイオンマゼンタカラー、ゴールキーパーはグレーの3rdユニフォームを着用する。多くのサポーターがそのレプリカを身にまとい、いつもはオレンジ色に染まるラピスタがピンク色のコスモス畑の雰囲気。秋晴れのスカイブルー、ピッチのグリーン、3rdユニのピンクが久しぶりのデーゲームを鮮やかに彩った。

24節を終えて9位(勝点29)のヴィアティン三重。JFLは相変わらずの混戦が続いているものの、勝ち星を上げられないチームはジリジリと後退。可能性がゼロになったわけではないものの「昇格」というフレーズを使いづらい状況になってきた。しかし残り6試合、とにかく勝利を目指して全力で闘うヴィアティン三重。スペシャルマッチデーのお祭り感、久しぶりのデーゲームとあってスタジアムに集まった1,300人のファン・サポーターがアツい声援で後押しする。

前半は互いにチャンスが少なく膠着状態、守備の時間が長くなったヴィアティン三重はチャンスこそ作れないものの、相手にも自由にやらせることなく高い守備の意識をキープしてスコアレスで前半を終える。後半に入って両チームがロングボールを使って相手の裏を狙った攻撃を展開。先にチャンスを実らせたのは中央から鮮やかなカウンターを見せ、見事な崩しでゴールを奪ったヴィアティン三重、燃える闘魂・森主麗司のゴールで先制する。そこからも前半同様に高い守備意識でチャンスを作らせることなく凌いでいたが、86分に自陣ゴール前で相手ともつれた状況から押し込まれて同点に追いつかれる。最後まで追加点を狙いスタジアムが一体となって相手ゴールを目指したが、追加点は奪えず試合終了。またも「勝ちきれない」試合内容で勝点2を落とし痛恨のドローとなった。

 

 

第25回 JFL第25節・試合結果

ヴィアティン三重 1-1 ブリオベッカ浦安
(0-0/1-1)

  • 62分:⑦森主麗司・ヴィアティン三重
  • 86分:②村越健太・ブリオベッカ浦安

 

前半、集中した守備でチャンスを作らせない

 

2週間ぶりのリーグ戦は秋晴れのラピスタでのホームゲーム。イオンスペシャルマッチデーということでピッチのグリーンに鮮やかなピンク色が映える。対戦するブリオベッカ浦安はここまで13試合負けなし、第10節では最下位にいたところからグイグイと調子を上げる中、Honda FCやクリアソン新宿に勝利して4位まで駆け上ってきた手強い相手。

ヴィアティン三重のスタメンは前節の枚方戦から4人を入れ替え(⑩田村選手は累積警告で前節出場停止)て臨む。前線には⑩田村、中盤には⑦森主・⑯橋本が入り、最終ライン、3バックには⑪上田が入り枚方戦はボランチで出場した⑳金が左のウイングバックに入る。そしてわずかに西からの風が吹くなか浦安ボールで試合開始。

 

 

開始2分、右からの展開から相手ゴール前に運んで中央の⑦森主がミドルシュート。久しぶりのスタメン起用に応えて積極的な姿勢を見せる。10分には相手GKからのロングボール1本でゴール前まで迫る浦安、187センチの11番が身体を入れてボールを落とし、184センチの10番が反応して強烈なシュート。しかしこれは枠の外、早々にヒヤリとする場面を迎える。

14分、自陣左サイドで森主がスライディングでボール奪取、右に展開して㉔池田から少し降りた⑩田村に繋ぎ⑯橋本に下げて左の⑳金、一旦中央の⑤菅野に預けて再び中に入ってきた⑳金に落としてミドルシュート!良い守備から良い攻撃を見せたが金のミドルシュートはわずかに左へ逸れる。

 

 

ここから浦安がボールを保持する時間が長くなる。最終ラインからビルドアップ、中央への縦パス、裏を狙ったロングボール、そしてまた中央で短いパスを繋いでボールを運ぶ浦安。しかし各局面で落ち着いた守備を見せるヴィアティン三重、前からプレッシャーをかける田村、中盤でハードワークを続ける森主・橋本、最終ラインは3人で上手くバランスを取りつつ、中央で積極的に前へ出て相手を潰す野垣内、守備の時間が長くなるが試合後に森主が言っていたように「我慢するところの共有」が徹底されていて決定的な場面を作らせない。しかし39分には相手GKのロングフィードから中央の混戦を抜けた38番が強烈なミドルシュートを放つ。枠に飛んでいたがここはGK①モリケンが冷静にキャッチ。

 

 

攻撃では相手ボールを引っ掛けて奪い、スピードに乗ってカウンターを仕掛ける場面を何度も作っていたが、シュートの手前、相手のボックスまでボールを運ぶ手前のところでパスがズレたり、相手にカットされたりともったいない場面が多い。前半は4本のシュートを放ったが可能性を感じたシュートは14分に金が放ったミドルのみ、枠内シュートはゼロ。前半は互いにスコアレスで終了。

 

 

後半、森主のゴールで 先制するも追いつかれる

 

先制点が欲しい両チーム、攻めるところ、崩すところを探りながら目まぐるしくボールが動く展開。互いに守備の強度が高くチャンスの作らせずに潰し合う。ヴィアティン三重は前半よりもボールを持つ時間を少し作れるようになり、相手陣地でプレーする時間が徐々に増え始める。しかし59分に相手のロングスローからやや危ない場面になるが守備陣の集中したプレーでこれを凌ぐ。

 

 

中盤から繋いで崩せない浦安、ロングボールを入れる場面が多くなる。そして61分、相手が最終ラインから前線に入れたロングボールを児玉がうまく回収、前の森主に出して後の野垣内に下げ、野垣内から中央の菅野に鋭い縦パス。受けた菅野、うまくターンして相手を一人かわし、もう一度振り向いてタメを作ったところで前方のスペースへ素晴らしいスルーパスを送る。左に流れながら相手DFを振り切る田村、深いところまで行ったところで中を見てクロスを入れる。右サイドから中央に走り込む寺尾、その頭上をわずかに超えさせファーサイドに走り込んできたのはボランチの森主、相手選手に寄せられながらも気合いのこもったボレーシュートで見事なゴール!素晴らしい連携から鮮やかな崩しで待望の先制点。今季初ゴールに喜びを爆発させる森主麗司、一直線にゴール裏のサポーター席に駆け寄り喜びを分かち合う。燃える闘魂森主の値千金先制ゴールでスタジアムが歓声に包まれる。

 

 

70分、ヴィアティン三重は⑯橋本に代えて⑬安西、㉟寺尾に代えて⑨大竹を投入、同じタイミングで浦安も3枚代え。追いつきたい浦安は前がかりになってヴィアティン三重ゴールに向かって圧力をかける。それに対して後に人数を置いて対応するヴィアティン三重、疲労は見えるものの集中した守備で跳ね返す。奪った後は前線でターゲットになる大竹に送る。1点を守りきりたいヴィアティン三重は78分に再び二枚代え⑰野垣内に代えて②谷奥、⑦森主に代えて㉕藤澤が入る。森主のポジションに金がスライド。

 

 

自陣でプレーする時間が長くなるヴィアティン三重、相手の猛攻に耐える。しかし86分、相手の最終ラインから前方へ放り込まれたボールを頭で擦らされてゴール前に転がる、相手選手と味方が重なる中で味方に当たったこぼれ球が運悪く相手選手の目の前に。飛びかかったモリケンも届かず押し込まれて失点、同点に追いつかれてしまう。

 

 

87分、⑤菅野に代えて⑮梁を投入し追加点を狙う。ピッチに入った梁、ファーストタッチで身体をひねりながらシュート、惜しくも相手選手に当たってラインを割る。続いて相手エリアの外でフリーキックを獲得、蹴るのは安西、ゴール前で競り合った大竹が相手選手と接触して負傷、試合終盤に激しいぶつかり合いを見せる。試合は90分を越えてアディショナルタイムに突入。最後に走り込んだ田村が強烈なシュートを放ったが相手GKが見事なセーブ。最後まで激しい闘いを続けた両チームだったが互いに追加点を上げることなく1-1で試合終了。

 

 

 

試合全体の主導権はわずかに相手に握られていたかもしれないが、前線からのプレッシャー、中盤の運動量、スリーバックの意識共有と、全員で相手のやりたいことを封じ、長い時間の守備にも耐えながらワンチャンスをものにして先制に成功した。それも日頃のトレーニングで培った狙い通りの崩しからの見事なゴールで。しかしまたも勝ちきれなかった。

「勝ちきれない」というのは「もう少しで勝てたのに勝てなかった」というニュアンスを含んでいる。先制した後の選手交代のタイミング、そして選手起用にその要因があったかもしれないと自らの采配を振り返った樋口監督。しかし同じような展開から何度も勝点を落としてきたことに落胆の色を隠せない様子だった。

 

 

勝点1を上げたことでなんとか9位はキープ。上位のトップ3が引き分けたことで2位との勝点差は開かなかったが、2位の座を狙う中位チーム(4位・滋賀、6位高知)は確実に勝利し2位に近づいた。対戦したブリオベッカ浦安も負けなかったことで5位に留まった。2位ソニー仙台との勝点差は9と辛うじてその尻尾が見えている状況ではあるが、ここからは可能性のあるなしに関わらず今シーズンの持てる力を出し切って終わりたい。

試合後のインタビューで監督や選手らが言ったように、目の前の一戦に集中し全力を出し切って闘うこと、今できることはそれしかない。それをあと5試合積み重ね、全28試合を終えたときに全員が少しでも多くの手応えや充実感を得られるように、僕らも残り少ない闘いを楽しみたいものだ。どんな展開、どんな結果が待っているとしても、ヴィアティンファミリー全員で、いまこそ勇敢に闘い、ヴィアティン三重の「価値」を示そう。

 

 

運営サポートは四日市南サッカー部のみなさん!

 

今回のホームゲームは四日市南高校サッカー部、1・2年生の皆さんでした!夏の前にインターハイ予選が終わり3年生は引退、そして1・2年生の新チームになって活動中。みなさんとても意欲的、積極的に仕事をこなしてくれました!ありがとうございました(^^) これからも学業・部活ともに頑張ってください!

 

 

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