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天皇杯1回戦、J3ガイナーレ鳥取を撃破!

2023年05月22日 

 

2019年以来の天皇杯1回戦、相手はJ3ガイナーレ鳥取。前半終了間際に㉒川中健太が芸術的なフリーキックを直接突き刺し先制する。バックスタンドに陣取るサポーターのところへ駆け出す川中、川中のもとに駆け寄るチームメイトたち。そして歓喜に湧くスタンド。最高の形で前半を終えたが後半は我慢の時間が続く。正確なロングボールからのサイドチェンジ、鋭い斜めのパスを次々と入れられゴールを脅かされるが全員で身体を張って守る。守護神①モリケンのセービングも冴える。終盤に差し掛かり交代で入った⑮梁と⑪上田が左サイドでボールを奪い何度も仕掛ける。そして84分には⑬安西海斗の鮮やかなボレーシュートが決まり追加点。サブメンバーのもとに駆け寄る安西。手荒い祝福で迎えるチームメイト。そこから最後まで集中を切らすこと無く闘い抜いた選手たち。

 

 

試合終了と同時に大の字でピッチに倒れる⑮梁、力が抜けたようにピッチに跪く⑬安西、満面の笑みでチームメイトを称えるキャプテン②谷奥。強い日差しが照りつける中90分を闘い抜き、4年ぶりの天皇杯初戦突破を果たした。目標とするJ3のガイナーレ鳥取に勝利し、次はJ1名古屋グランパスと対戦する権利を得たヴィアティン三重。ここまでチームとして積み上げてきたものを十分に発揮して勝利した選手たちは2回戦への切符とともに「俺たちはやれるんだ」という大きな自信を手にした。

 

第103回 天皇杯1回戦・試合結果

ヴィアティン三重 2-0 ガイナーレ鳥取(J3)
(1-0/1-0)

  • 45+4分:㉒川中健太・ヴィアティン三重
  • 84分:⑬安西海斗・ヴィアティン三重

 

前半終了間際、川中の芸術的FKで先制!

 

強い日差しが照りつける三交Gスポーツの杜鈴鹿、西からの風が吹き気温はそれほど高くない。しかし試合2時間前にしてスタジアム前はヴィアティン三重サポーターの熱気に包まれていた。会場入りする選手バスを待つサポーターの輪。みんな天皇杯1回戦、J3ガイナーレ鳥取との対戦が楽しみで仕方ない顔をしている。そして選手バス到着、いつも以上に気合いが入ったコールリーダーの声に続き唄うサポーターたち。バスから降りた選手らがサポーターの熱気の間を通ってロッカーに向かう。

普段のリーグのように勝ったところで勝点がもらえるわけでもなく、目標とするJ3昇格に繋がるわけでもないが、天皇杯ほど燃えるゲームは他にない。公式戦でJクラブと対戦できる唯一の大会であり、なによりもヴィアティン三重は「三重県代表」という誇りを背負って闘うのだ。選手もサポーターも気合十分で試合に臨む。

 

 

13時、ガイナーレ鳥取ボールでキックオフ。いつも通り前からプレッシャーをかけに行く⑩田村と㉒川中、選手らの表情を見る限り硬さは感じられない。開始早々に相手右サイドに展開され最初のシュートを打たれるが右サイドバック㉔池田が身体をぶつけてブロック、チャンスを作らせない。4分、相手の最終ラインからのパスを左サイドバック㉕藤澤がインターセプト、ドリブルでそのまま持ち込み相手ボックスに近づいたところでファールをもらいフリーキック獲得。ゴールまでの距離はおよそ25メートル、キッカーは㉒川中。低い弾道でニアサイドを狙ったボールは相手GKがしっかりキャッチ。

鳥取は最終ラインと中盤でボールを出し入れし食いつかせたところから右サイドへロングボールを入れる。正確なパスと丁寧なファーストタッチで一気にヴィアティン三重ゴールに近づく。しかしヴィアティン三重守備陣が冷静に対応、チャンスを作らせない。相手が右サイドにボールを集めるところを中盤で奪い右サイドに展開するヴィアティン三重。7分、広大なスペースを勢いよく駆け上がる㉔池田、手前から㉟寺尾、⑩田村、ファーサイドを㉒川中が走る。ペナルティエリア付近まで持ち上がったところでクロスを入れファーサイドの川中が胸トラップ、シュートを放つがギリギリのところで相手DFが掻き出しゴールならず。最初の決定機はヴィアティン三重。ここからコーナーキックが続くがチャンスには至らず。

 

 

その後、鳥取がややペースを掴み始めゴール前に迫る場面を作るが、ヴィアティン三重DF陣が統率された良い動きを見せ、ゴール前でもシュートコースを簡単には作らせない。そして19分、最終ラインの⑲児玉から左サイド中盤で⑤菅野が受け前線の⑩田村へ浮き球のロングパス
、ファーストタッチで相手DFをかわし左脚を振るが右に逸れ枠を捉えられない。23分にも最終ラインに降りた⑬安西から相手DF裏のスペースへロングパス。抜け出した田村が収めて相手ゴール前まで運びシュート。しかし相手のブロックに遭い決められない。悔しがる田村、焦りがあるのかいくぶん強引にも見える。

 

 

互いに最終ラインの裏を狙ったボールを入れてチャンスを伺うが、奪っては奪われての展開がしばらく続く。40分、ヴィアティン三重が右サイドで短くパスを繋ぎ㉟寺尾が高くなっている相手の最終ラインの後ろへクロスを放り込む。ゴール前で⑩田村が受けたがここはわずかにおオフサイド。43分、高い位置でボールを奪った㉒川中、⑤菅野に預けてふたたび左サイドに開いて受けクロスを入れる。相手DFが逸したボールが右サイド㉟寺尾の足もとに飛び寺尾がシュート。高くバウンドしたボールを相手GKが掻き出すもゴールに飛ぶ、しかしDFがヘディングでクリア、惜しい。

 

 

46分、左サイドからヴィアティン三重のスローイン。受けた⑤菅野が相手の裏スペースへボールを入れそこに㉟寺尾が走る。相手DFと入れ替わり抜け出たと思った瞬間に後ろから倒される。決定的な得点機会の阻止かと思われたがここはイエローカード、前半終了間際にフリーキックを獲得。ゴールまでの距離は約25メートル、開始早々に得たFKと全く同じ場所、キッカーは再び㉒川中。固唾をのんで見守るサポーター。壁に目をやりゴールを睨む川中、5歩、6歩と下がって助走を取る。右足で擦り上げるように蹴られたボールはジャンプする壁の上を越えストンと落ちニアサイドに直接突き刺さる。相手GKが手を伸ばすこともできない見事なゴール。歓喜に湧くヴィアティンサポーター。ここで前半終了。

 

 

 

後半、相手の時間が続くがしのいで安西の追加点!

 

1点リードで迎えた後半、前半よりコンパクトな陣形を作る鳥取、細かくボールを繋いで保持する。球際の強度も上がりヴィアティン三重がボールを奪う場面、保持する時間が減る。しかしボックス内には入れさせずチャンスに繋がる場面は作らせない。58分、相手が先に動き3枚替え。ここからまた我慢の時間が続く。続けて相手のシュートを浴びるがいずれも枠を逸れ救われる。

66分、㉟寺尾に代わって⑳金が入る。70分を過ぎたあたりからまたも相手の時間、中央の距離を近くしつつ、左右を大きく使う鳥取、走らされるヴィアティン三重、ジリジリと消耗させられる。73分、ヴィアティン陣内で中央から鋭い縦パスを通されペナルティエリア内左サイドから鳥取の強烈なシュート。しかしここはGK①森が跳ね返す。

 

 

 

76分、㉒川中に代えて⑮梁、⑤菅野に代えて⑪上田が入る。左サイドにフレッシュな二人を入れ相手に傾いた流れを呼び戻したいヴィアティン三重、スピードがある⑮梁が積極的にプレッシャーをかけ、高さのある⑪上田が空中戦でぶつかる。そして80分、その左サイドから⑪上田が前のスペースに出し⑮梁を走らせる。得意のトリッキーな切り返しで相手DFを振り切ろうとする梁。ボックスまで入り込みわずかに相手をかわしたところで倒れ込みながら中へ入れる。ファーサイドに⑩田村がいたがGKに止められ届かない。82分にも⑮梁がゴールに迫るがシュートは大きく枠を逸れる。しかし交代選手の積極的なプレーが流れを呼び戻す。

 

 

 

 

その直後、鳥取がヴィアティン三重ゴール前までボールを運びボックス内に侵入するがDF陣が阻止、シュートを打たせない。そのボールを拾った⑪上田から前線を走る⑮梁へロングボールを入れる。ボールを受けた梁、相手陣内に入ったところで倒されてFK獲得、ここからまたチャンスが生まれる。

左サイドに高いボールを入れる⑬安西、ターゲットは⑪上田、しかし収まらない。こぼれ球を㉔池田が拾い⑳金・⑪上田・⑯橋本と細かく繋いで一列後ろにいた⑬安西に預ける。そして安西のシュート、これは⑩田村に当たってしまうがこぼれ球に⑮梁が反応、相手をかわして強烈なシュート!しかしクロスバーを叩く。跳ね返りに⑩田村がジャンプするが届かず、相手DFのクリアが小さくなりそのボールは⑬安西のところへ。胸でトラップした安西、そのままボールを落とさず右足を振る。鮮やかなボレーシュートがゴール左隅に突き刺さり84分に追加点。普段は寡黙な安西が歓びを爆発させてサブメンバーのところへ駆け寄る。湧くスタンド。

 

 

 

取り返したい鳥取、前がかりになってヴィアティン三重ゴールに迫る。90分、⑩田村に代えて⑰野垣内が入り最後の締めにかかる。追加時間は5分、時間を使いつつ必死に守るヴィアティン三重、終盤になっても守備の強度は衰えず、簡単にはやらせない。前がかりになる相手の裏を狙ってカウンターを狙う。パワープレーでヴィアティン三重ゴールに迫る鳥取、最後にコーナーキック獲得。ラストプレーも守護神モリケンがガッチリキャッチ、そこで試合終了のホイッスルが鳴った。

 

 

試合を通して振り返ると、カテゴリーが上の相手に対して一瞬も怯むことがなかった。今季のスローガンのとおり、全選手が最初から最後まで勇敢に闘い、見事な勝利を飾った。何度か危ない場面を迎え、何度か強烈なシュートを浴び、後半には相手がボールを持ち続ける苦しい時間が長く続いた。しかし闘う選手たちを見て不安を抱かせるような場面が全くなかった。

相手の正確なロングボールからのサイドチェンジ、縦方向への鋭いパス、フィジカルを活かした接触プレー、どの場面でも自信を持って対処し、まさしくチームワークで苦しい時間をしのいだ。次から次へとヴィアティン三重の選手が現れてプレッシャーをかけにくることに相手は相当手を焼いたはずだ。

 

 

決められてもおかしくない場面もあったが、仮に追いつかれたとしても今季のヴィアティン三重の攻撃力があれば取り返せるだろうという自信がどこからか湧いてきていた。それは相手にボールを握られながらも狙いどころを絞ってボールを奪い、そこから圧倒的なスピードで相手ゴールに向かう場面を繰り返し作ることができていたからだ。

試合後にキャプテンの谷奥健四郎は相手へのリスペクトを持った上でこう言った「正直なところ、J3とJFLにそこまで大きなレベルの差はないんじゃないかと思っています。」

 

 

カテゴリーが上の相手に対し、リスペクトしすぎることなく自分たちのフットボールを貫き、切り替えのスピードと守備の意識という「勝負の肝」になるところを全員が共有し、高い集中力を以て闘い抜いた。そして試合前から終始チームの後押しを続け、共に闘ってくれたサポーターの存在もとてつもなく大きい。

次の相手はJリーグ・オリジナル10、東海の雄、東海の象徴、今季はリーグでも好調な名古屋グランパスとの対戦。ヴィアティン三重サポーター全員が一度は夢見た対戦カードだ。実力・戦力・経験の差があることは百も承知。しかしフットボールには良い言葉がある。

「ジャイアント・キリング」

ヴィアティン三重に関わる者で、負けるつもりで挑む者はひとりもいない。勇敢に挑もう、僕たちの挑戦は続く!Be Brave and Never Stop Challenging.

 

 

 

フォトギャラリー①

フォトギャラリー②

 

2023 JFL第9節 5/27土 vs クリアソン新宿

  • 第25回 日本フットボールリーグ 第9節
  • 試合日程:2023年5月27日(土)アウェー
  • 対戦相手:クリアソン新宿
  • 試合会場:味フィ西
  • 開始時間:13:00キックオフ