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ホームアサスタで、首位Honda FCとドロー。

2022年09月26日 

 

ホーム・アサスタに首位・Honda FCを迎えてのJFL第23節。スッキリと晴れ渡った秋空、しかし照りつける日差しは強く気温は32℃を超えじわっと汗が吹き出す。前節のアウェー大分戦は台風の影響で延期となり2週間ぶりのリーグ開催。今シーズンの残り試合も少なくなり、昇格争い・順位争いはここから佳境に入る。

勝点31・暫定8位で迎えた今節、ひとつも負けられない状況が続く中、首位Honda FCとの対戦は1-1のドロー。勝点1を積み上げ9位に後退する結果となった。しかし試合が終わったあと、90分にわたる見ごたえある闘いを目にした1,977人の観客からは、死力を尽くした両チームの選手たちに向けて温かい拍手が送られた。両チームの持ち味が十分に発揮された熱戦は、シンプルにフットボールの魅力・面白さを伝えるに充分なものだったのではないだろうか。今季の目標であるJ3昇格に向けては依然として厳しい状況が続くが、ヴィアティン三重としては終盤戦を闘い抜く緒に繋がる重要な勝点1となった。

 

 

第24回 JFL第23節・試合結果

ヴィアティン三重 1-1 Honda FC
(前半0-1:後半1-0

  • 22分:①楠本祐規・Honda FC
  • 84分:㉘寺下裕貴・ヴィアティン三重

 

前半・相手に主導権を握られPKで失点

 

気温30℃を超える中、Honda FC(以下Honda)ボールでキックオフ。丁寧にボールを繋いでくるHonda、奪ったところから素早く攻撃に移りたいヴィアティン三重。相手の高いDFラインの裏を突いて2分には⑩田村が、4分には⑪早坂が攻め上がってシュート、5分には⑤菅野が攻撃に移るところでファウルを貰って相手を脅かす。入りは悪くない。コンパクトな陣形から素早いプレスをかけるヴィアティン三重に対して、やや長めのパスを使い分けて空いたスペースを狙ってくるHonda。

 

 

15分、リズムが掴めたところからワンタッチパスを繋いでゴールに迫るHonda、左サイド角度がないところから強烈なシュート。GK①森と⑲児玉慎太郎が反応して掻き出しピンチを凌ぐ。17分にはクリアミスからゴール前でピンチ。その後もヴィアティン陣内で正確に繋いでゴールに迫ってくるHonda。そして20分、相手が右サイドからゴール前に放り込んだボールが②谷奥の肩をかすめ、流れたボールをGK森がキャッチ。そこで主審のフエ、谷奥がエリア内でハンドを取られてしまう。谷奥の真横にいた副審はハンド無しの判定、しかし判定は覆ることなくPKを決められ先制を許す。

 

 

その後も細かなパスを繋いでは奪い合う両チーム、しかし精度の部分で上回るHonda、タイミングを見て鋭い縦パスを入れてヴィアティンの守備を翻弄する。そして27分、ヴィアティン陣内中盤でボールを奪ったHonda、一瞬の判断でDF裏のスペースへスルーパス。抜け出した選手が一気にゴールに迫り左からフリーで強烈なシュート。しかしGK森が反応しセーブ、またもピンチを凌ぐ。

 

 

 

ここからも立て続けにシュートを浴びて我慢の時間が続く。しかし前半35分を過ぎ、ラスト10分は良いところでボールを奪う場面が増え、⑯橋本が起点となって何度も相手ゴールに迫る。39分、相手からの速い縦パスに⑲児玉が反応して奪いショートカウンター。前の4人がスピード感を持って運び相手の陣形が整う前に中に落として⑯橋本がシュート。ここはミートできずに枠を逸れたが、速い切り替えから良い攻撃を見せた。

 

 

終盤には左サイドから㉕藤澤と⑪早坂が運んでチャンスメイク、コーナーキックを獲得。橋本の正確なキックに②谷奥が合わせたが相手DFに身体を寄せられてミートできなかったが惜しい場面を作った。

 

 

後半・必死に守り抜いて寺下の同点弾!

 

後半もHondaペースで試合が進む。50分、相手右サイドから強烈なミドルシュート。枠に飛んでいたがGK森がしっかりと反応して弾き出す。ここも守護神の活躍でピンチを凌ぐ。その後もHondaが裏のスペースを狙った攻撃を展開、押し込まれる時間が続くが身体を張った守備で守り切る。後半15分が過ぎたところで両チームベンチが動く。ヴィアティン三重は⑪早坂に代わって㉘寺下を投入。62分、ゴール正面からHondaが強烈なミドルシュートを放つがまたしてもGK森が弾き返す。シュート本数が多いHonda、枠に飛ぶ本数が多く森の活躍が際立つ。

 

 

中盤での奪い合いが激しくなり接触プレーが増える。再三チャンスを作りながらも追加点が奪えないHonda、決定的な場面をことごとく跳ね返し集中力を研ぎ澄ますヴィアティン三重、選手たちの闘志は衰えない。しかしHondaの緻密かつ多彩な攻撃を受け止めるために守備に人数を奪われ、チャンスを作っても前に人数が少なく相手のゴールを脅かすところまで至らないヴィアティン三重、多くはないチャンスをどうやってモノにするのか。66分にも決定的なピンチを迎えるがしのぎ切る。

 

 

飲水タイム後の69分、後ろに下がった⑯橋本が左サイドの㉕藤澤にパスを出した瞬間、前めにいた⑦森主が相手選手の間へ走る。藤澤がワンタッチで⑩田村にはたき、田村もワンタッチで前に向かう森主へ出す。左のスペース、フリーで受けた森主がややもたつくが中へ入れて㉒川中が詰めるが相手GKがブロック、流れるようなパスワークから一気にチャンスを作る。そして橋本が左からのCK、走り込んだ川中が合わせたが捉えきれずチャンスは実らず。73分、最終ラインからビルドアップ、左サイド寺下・藤澤のパス交換から中の森主に預け、少し下りた田村に鋭い縦パスが入る。菅野と入れ替わって左に展開、奪われてしまうがすぐに奪い返し最後は川中がシュート、枠を外すが相手陣内でプレーする時間が徐々に増える。

 

 

そして迎えた83分、最終ラインからのビルドアップ。それまで左サイドからの展開が多かったが右サイドから仕掛ける。ハーフウェーライン近くまで最終ラインを上げてくるHondaに対し、右サイドライン際でのパス交換から⑯橋本が裏を狙ったパスを送る。あうんの呼吸で走り出す⑤菅野、一気に右サイドから持ち上がり中の上がりを待つ。遅らせたいHonda DF、飛び込まずに時間をかけさせる。戻るHonda DFライン、猛然と走り込む㉘寺下、⑩田村、あとから⑦森主。相手DFは3人、一番速く位置を取った寺下、相手DFの背中側を取り、それを感じた菅野から柔らかいクロス。頭で押し込んだ寺下、まさに点と点を結ぶ攻撃で追いついた。鉄壁のHonda DF陣の積極的な守備を逆手に取った完璧な攻撃は、前半に4回もオフサイドになりながらのチャレンジが実った瞬間だった。

 

 

 

88分には⑮田宮・㉟寺尾を投入、スピードでの崩しを狙う。追加点が欲しいHonda、前掛かりになったところでヴィアティン三重のカウンター、左から入ったばかりの田宮がトップスピードでスペースに走って中へクロスを入れる。密集の中で掻き出すHonda DF陣、続いて右サイドから仕掛ける寺尾、コーナーキックを獲得、勢いはに乗るヴィアティン三重。後半アディショナルタイムは6分、⑱佐藤洸一を投入、まだ時間はある。勢いに乗るヴィアティン三重に対し、最後まで正確かつ丁寧なプレーでヴィアティンゴールに迫るHonda FC。⑱佐藤のポストプレーから一気に攻め込もうと試みる。最後は佐藤がファールを受けてFK獲得、怒涛の攻撃を見せたがゴールには至らず試合終了。

 

 

試合終了のホイッスルが鳴った時、選手たちの表情は悔しさに満ちていた。しかし、長年JFLの実力と価値を象徴する存在として君臨するHonda FCに先制されながらも追いついたこと、全く怯むことなくチャレンジし続けたこと、すべてを出し切った充実感、それらが入り混じったものに感じ取れた。

今節は試合後インタビューで得点に関わった寺下選手・菅野選手に話を聞いたが、二人の言葉から今までとは違うニュアンスを感じた。それは「J3昇格への気負い」をあまり感じなかったことだ。勝ち切れなかったことへの悔しさはにじませたものの、ハイクオリティなサッカーを展開するHonda FCに対してチャレンジを止めなかったことの自信、その手応えを言葉にした。

 

 

樋口監督体制になって一年目、積み上げようとしているスタイルは簡単ではない。さまざまなチャレンジと失敗を繰り返し、それが23節まで辿り着いて選手たちの自信として蓄積し始めている。23節になってからでは遅い?それはチームが歩んできた道のりがそれだけタフなものだったという事実であり、彼らの実力と言える。昇格という観点だけで考えると少し時間がかかってしまったかもしれないが、チームが僕らの目の前で成長し、面白いフットボールを展開してくれることは本当に嬉しいことだ。

J3昇格の気負いを感じなくなったからと言って、選手たちがそれを忘れたわけでも意識していないわけでもない。彼らは今何をすべきかということにフォーカスし、目の前の一戦に向き合っているだけだ。自分たちのスタイルに拘りながらチャレンジし続ける彼らを、僕らはただ熱く見守ろう。Never Stop Challenging.

 

 

鈴鹿高校サッカー部の皆さんがお手伝いしてくれました!

今節の試合運営、ボールパーソンは鈴鹿高校サッカー部のみなさんが務めてくれました!暑い中ありがとうございました!

 

フォトギャラリー①

フォトギャラリー②

公式記録

2022 JFL第24節 10/8 土 vs ティアモ枚方

  • 第24回 日本フットボールリーグ 第24節
  • 試合日程:2022年10月8日(土)アウェイ
  • 対戦相手:ティアモ枚方
  • 試合会場:たまゆら陸上競技場
  • 開始時間:14:30キックオフ