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燃やしきれない闘志…後半に追いつくも勝ち越せずFC大阪にドロー

2022年05月23日 

 

試合後の会見場に現れた樋口監督。いつにも増して渋い表情、というより苦々しい表情だった。監督の朗らかでにこやかな表情がこのところ影を潜めている。第3節のティアモ枚方戦に勝って以来、5試合続けて勝利から遠ざかっているだけに、数多くの経験を積んできた名将の表情が曇るのも無理はない。JFL第8節、代替日程で行われたFC大阪戦は1-1のドロー、3試合連続の引き分けに終わった。

 

第24回JFL第8節・試合結果

ヴィアティン三重 1-1 FC大阪
(前半0-1:後半1-0)

  • 45分:⑱久保吏久斗・FC大阪
  • 66分:㉔池田直樹・ヴィアティン三重

 

 

前半・互いに決定機を作れず進むが終了間際に失点

 

珍しく風がなく穏やかなアサスタ、時折小雨が降る曇り空だったがコンディションは悪くない。第8節は強豪FC大阪をホームに迎えた。前節高知ユナイテッド戦は悔しいドローで終わったヴィアティン三重、ホームで勝って上位返り咲きを狙いたいところ。スタメンには㉔池田直樹が入り、ボランチには⑳金(キム・ソンスン)が戻ってきた。

立ち上がりからFC大阪がボールを握る。球際に強くフィジカルと高さを武器に随所でヴィアティン三重を上回りテンポの良いパスワークからヴィアティン三重DF陣の裏を狙う。一方ヴィアティン三重は丁寧に繋ぎたいのかダイナミックさに欠けるプレーが多くボールを握れない。

前線からプレスをかけてボールを奪いに行くヴィアティン三重、奪ってゴールに向かう場面を作るがFC大阪の戻りが速くシュート手前で阻止される。21分、ビルドアップから右サイドに展開、㉔池田→⑤菅野→⑩田村と繋いで田村がクロスを上げる。後ろから走り込んだのはボランチの⑯橋本、ダイレクトでシュートを放つが相手DFに弾き返される。

 

 

 

中盤で激しいボールの奪い合いが続く。高さと球際で勝るFC大阪がセカンドボールを拾い、ボールを保持する時間が多い。互いにゴール前に運ぶ場面が少なく決定機には至らない。何度か⑩田村が抜け出す動きを見せるが相手GKが前に出て防ぎ、決定機まで至らず。38分、中盤で奪ったボールを前に運ぶ⑤菅野、相手DFに弾かれたボールを⑩田村が受けてシュート。しかし枠を逸れ天を仰ぐ。

 

 

41分、④寺田からの縦パスが相手に引っかかり一気に裏を取られてゴール前へ。強烈なシュートを打たれるが㉕藤澤が身体を投げ出して阻止、危ない場面を凌ぐ。続く44分、相手のCKが続きクリア後のスローインからヴィアティンゴール前に入ったボールに対し、人数は揃っていたが寄せきれずに密集の中でシュートを打たせてしまい失点、先制を許す。嫌な時間に失点し1点ビハインドで後半へ。

 

 

後半・同点に追いつくも勝ち越せずドローに終わる

 

1点を追いかけるヴィアティン三重、ハーフタイムに④寺田に代えて⑰野垣内、⑮田宮に代えて㉟寺尾を投入し前への推進力を高めてゴールを狙う。49分 ⑰野垣内から㉔池田、㉔池田から㉟寺尾へリズムよく繋いで前に運び、㉟寺尾が右サイドの深いところからクロスを放り込む。相手DFにクリアされるがクリアボールに⑤菅野が反応、ダイレクトでボレー。ドライブが掛かったシュートは枠に飛んだが相手GKのナイスセーブに阻まれる。

 

 

 

58分、この日良い動きを見せる⑳金が中央付近でボールを奪い左サイドの㉕藤澤に預けアーリークロス気味に中へ放り込む。⑩田村が受けるが収まらずシュートまで行けない。後半に入って徐々に圧力を高めていくヴィアティン三重、後半に入って俄然 気持ちの入ったプレーで相手を押し込む。

 

 

60分、攻撃に変化をつけるべく㉘寺下に代えて⑨大竹を投入、その⑨大竹、⑩田村に、そして右サイドの㉔池田に対して⑰野垣内から効果的なボールが何度も供給される。少しずつ相手陣地でプレーする時間が増えていく。64分、中盤でのパス回しから⑤菅野が受けてワンタッチで前線の⑨大竹へ、相手DFと競りながら受けるが収まらない。しかし前への推進力がぐっと高まる。

 

 

66分、ヴィアティン三重のCK。キッカーは⑯橋本。こぼれ球を受けた㉔池田が右サイドの深いところで切れ味鋭い切り返しを何度も入れて相手選手を揺さぶる。完全に剥がしたところで利き足とは逆の左足で中にボールを上げる。ファーサイドの⑰野垣内を狙って蹴られたクロス気味のボールは強烈な弧を描いてそのままゴールに吸い込まれ同点に追いついた。㉔池田は今季2ゴール目、いずれも観衆を沸かせるスーパーゴール。

 

 

 

一気に反撃ムードのヴィアティン三重、しかし相手も同点に追いつかれたことでプレーの強度を高め、中盤での争いが激しくなる。76分、カウンターからFC大阪が流れを掴む。シュートまで持ち込まれるがキャッチしたGK①森、右サイドを駆け上がる㉟寺尾に絶妙のロングフィード、パス一本で一番深いところまで持ち込みクロス。中の⑩田村には合わなかったが目の覚めるようなカウンターで流れを呼び戻す。

 

 

後半に入って右サイドが活性化、㉔池田と㉟寺尾がドリブルとワンタッチパスで右サイドを切り裂き何度も相手陣地の深いところまで運ぶ。相手DFに防がれるも度々コーナーキックのチャンスを迎える。87分、相手陣地でFKを得たヴィアティン三重、⑯橋本のキックは相手に跳ね返されたが中盤でひろった⑤菅野がワンタッチで前方にいた⑰野垣内にパス。左から中に折り返す⑰野垣内、それを⑩田村がシュート!しかし相手DFが身体を投げ出して阻止、チャンスをものにできない。

 

 

90分、相手シュートを正面でキャッチしたGK①森から走る⑩田村にスローイング、スピードを持って前への突破を図る。しかし相手が阻止。アディショナルタイムは5分、前へ急ぐヴィアティン三重、時間が少なくなっていき得点が欲しい両チーム、攻守が目まぐるしく入れ替わる。終盤、相手のシュートを続けて受ける場面を迎えるがGK①森が落ち着いて対応、最後のゴールキックから⑤菅野が受けてゴール前の⑨大竹に放り込む、しかしわずかに届かずチャンスならず。そして試合終了のホイッスル。後半は完全にペースを掴んでいたものの追加点を奪えず悔しいドロー、ともに上位返り咲きを狙う両チームの闘いは痛み分けとなった。勝点1を分け合いFC大阪は勝点13で暫定5位、ヴィアティン三重は勝点12で暫定8位となった。

 

 

試合後の樋口監督、キャプテン谷奥選手は語った(※試合後コメント記事参照)「オレたちはもっとやれる。」

選手らは前節の高知戦を経て、1週間かなり良いトレーニングができ「オレたちはやれる。」という強い自信を持ってこの試合に臨めたようだった。しかし前半の闘いぶりはやや物足らなく感じた。そして前半終了間際の失点…。またしても追いかける展開となり、後半から火が点いたとは言え勝ちきれなかった結果を受け止めると、その火は燃やしきれなかったように感じる。

 

 

 

ハーフタイムにロッカールームから漏れてくる樋口監督の檄(ゲキ)を聞いた。

「もっと闘え!!!ピッチ上でやるのはオレじゃない、お前たちが闘うんだ!!!さぁ行こうぜ!!!!」

「オオオオオオーーーーー!!!」

高ぶる指揮官の檄に地鳴りのような気合いの声で応えた選手たち。あれを聞いた時に「彼らなら絶対やってくれる!」鳥肌を立てながらそう強く感じた。次節、アウェー戦となる島根ではその闘志をスタートから見せて欲しい。ヴィアティン三重のサッカーにはとても敵わない、相手にそう感じさせられるぐらいの闘志と圧力で勝点3をむしり取って欲しい。

勝利から遠ざかること2ヶ月弱、勝ちに飢えた獅子たちのアツい闘いに期待する。

 

 

90分間に渡る激闘を追え、両チームの選手たちは悔しさのあまりピッチに倒れ込んでいたが、試合後にはFC大阪の選手たちがヴィアティン三重のサポーター席に歩み寄り互いの健闘を称え合った。ともにJ3昇格を目指すライバルでありながらJFLでしのぎを削る仲間、最後まで素晴らしい闘いを見せてくれたFC大阪の選手たち、スタッフ、サポーターの皆さんに感謝を伝えたい。

 

 

試合運営サポートは桑名工業高校サッカー部の皆さん、そして稲森先生!

 

JFL第8節は日程変更で試合運営にも様々な変更点があり、急な依頼にも関わらず桑名工業高校サッカー部のみなさんが対応してくれました!そして桑名工業高校サッカー部ではかつてのヴィアティン戦士・稲森睦先生がコーチを務められています(^^) ハーフタイムにはYouTubeの実況席にゲストとしても登場し、かつての仲間である藤牧CCと楽しいトークを展開してくれました。

桑名工業高校サッカー部の皆さん、稲森先生、ありがとうございました!これからも一緒に三重県のサッカー界を盛り上げて行きましょう!

 

 

フォトギャラリー①

フォトギャラリー②

 

公式記録

 

2022 JFL第9節 5/28 土 vs FC神楽しまね

  • 第24回 日本フットボールリーグ 第9節
  • 試合日程:2022年5月28日(土)アウェー
  • 対戦相手:FC神楽しまね
  • 試合会場:島根県立サッカー場
  • 開始時間:13:00キックオフ