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絶望の淵からラスト20分で3ゴール、雨のアサスタ同点劇!

2022年04月18日 

 

90+5分、後半アディショナルタイムにその瞬間が訪れた。歓喜に湧く朝日ガスエナジー東員スタジアム。同点ゴールが決まった瞬間はこれまでに経験したことがない熱狂のうねりに包まれた。

19分に明らかなミスから失点、27分に攻撃の要、⑤菅野が退場し10人での長い闘いを余儀なくされる。0-1で前半を終え後半の反撃を誓う。57分に追加点を許し絶望の淵に立たされたかと思われたが、ラスト20分間は魂を燃やすような闘いぶりを見せる。小雨降る中、ぐいぐいとピッチの熱い闘いに引き込まれる1,200人の観衆。

⑨大竹のゴール、3失点目、㉔池田のゴールを経て2-3で迎えたアディショナルタイム。㉘寺下の劇的同点ゴールで最後に追いつき、まるでサッカー漫画のようなドラマティックな展開。結果は決して満足できるものではなかったが、誰もがこんなサッカーを観たかった!そう感じたJFL第6節だった。

 

第24回JFL第6節・試合結果

ヴィアティン三重 3-3 奈良クラブ
(前半0-1:後半3-2)

  • 19分:⑭森田 凜・奈良クラブ
  • 57分:⑨金子昌広・奈良クラブ
  • 73分:⑨大竹将吾・ヴィアティン三重
  • 78分:㉝寺村浩平・奈良クラブ
  • 80分:㉔池田直樹・ヴィアティン三重
  • 90+5分:㉘寺下裕貴・ヴィアティン三重

 

 

前半・早々の失点、退場…10人の長く苦しい闘いが始まる

 

過去の奈良クラブとの対戦成績は3勝3敗3分と完全に五分。ここまでヴィアティン三重は2連敗中、奈良クラブは前節で敗れて迎えたJFL第6節、どちらも負けを止めたい一戦。

小雨が降るピッチ、奈良クラブボールでキックオフ。前からの厳しいプレスをかけて中盤で奪いコンパクトに繋いでボールを運びたいヴィアティン三重。一方、中盤でプレスをかけて追い込み、ピッチをワイドに使いロングボールを混ぜて一気に攻め込む奈良クラブ。互いに意図を感じるプレーを見せるが立ち上がりはどちらにもボールは収まらない。13分、左サイドから⑰野垣内が前方へ少し長めのボールを供給、⑩田村が落として⑳金がシュート、相手GKが弾いたところに⑮田宮が詰めるがGKが抑える。この試合最初のチャンス。

 

 

17分、相手右サイドからのアーリークロスが入りダイレクトでシュート、決定的な場面。ここは今季初スタメンの㉑加藤大喜がビッグセーブで凌ぐ。その直後、㉑加藤から⑦森主へパス、森主から⑤菅野へ預けようとしたところを狙われ、そのままシュートを決められて失点。立ち上がりで嫌なムードが漂い、そこからやや焦りを感じさせるヴィアティン三重。攻撃の起点となる⑤菅野が徹底的にマークされ前への推進力が生まれない。先制したことで落ち着きを見せる奈良クラブ。

27分、GK㉑加藤がバックパスを受け④寺田に預ける。そこからビルドアップを狙い⑤菅野がCBの位置まで降りてボールを受けようとするが濡れたピッチの影響からか足元からボールが逸れてしまいそこを奈良クラブの選手に奪われゴール前でピンチに。追いかける菅野、たまらずファール。そして一発レッドで退場。1点のビハインド、10人での長い闘いがここから始まった。

 

 

先制された上にひとり多い奈良クラブを相手にするが闘い方は変えず、よりハッキリしたプレーで相手にプレッシャーをかける。絶体絶命の状況に気持ちと感覚が研ぎ澄まされるヴィアティン三重の選手たち。そしてこの状況に屈しないという強い気持ちを表現する指揮官・樋口監督。随所で数的不利から来るピンチを迎えそうになるが決定的な場面には至らず、落ち着いたプレーで対処する。11人の時よりもむしろボールを保持する時間は長くなるが、相手のブロックを崩せずチャンスは来ない。そして42分、中盤でボールを奪った⑰野垣内から⑳金に繋ぎ右サイドをフリーで走る⑮田宮にパス。グラウンダーのボールを中に入れて⑦森主が合わせるも相手DFが阻止、決定的な場面は決められず。

 

 

前半終了間際、相手ゴールに押し込み立て続けにコーナーキックを得るチャンス。セットプレーからのゴールを狙うべく②谷奥・④寺田・⑰野垣内と空中戦に強い守備陣が集まる。5回のコーナーキックも実らず、1点ビハインドのまま後半へ。

 

 

後半・積極的に勝負をしかけてチャンスを掴む。劇的な展開から3得点!

 

後半から今季新加入㉟寺尾憲祐を投入、怪我で出遅れていた寺尾は今季初登場。得意のドリブルとキープ力でひとり少ないチームを救いたいところ。数的不利を感じさせない運動量とポジショニングで序盤からよくボールが動くヴィアティン三重、前からのプレッシャーを弱めること無くゴールを狙う。ひとり少なくてもチャレンジを止めず、リスクを犯すことでいつもより大きくなるスペースはカバーし合って補う。しかし57分、相手GKからのロングフィード、かなり高い位置を取っていたヴィアティンのDFライン、処理が乱れて裏にこぼれたところを押し込まれて失点、2点を追いかける状況に。苦しい状況を見守るベンチとサブの選手たち。

 

 

62分、⑦森主に代えて㉘寺下、71分にはセンターバックの④寺田を下げてFW⑨大竹を入れて攻撃の枚数を増やす。高さのあるターゲットが入ることで攻撃にも変化が生まれる。その直後、右サイドから㉟寺尾がチャンスを作りコーナーキックを獲得、キッカーは⑯橋本。美しいフォームから放たれたボールは大きく弧を描いてゴール前へ。密集からいち早く前に走り込んだ大竹、ドンピシャのタイミング、頭で合わせてゴールに突き刺した。交代選手が結果を出して期待に応える。

 

 

 

残り20分、勢いに乗ってここから反撃と行きたいところ。しかし78分、厳しいスライディングを受けた大竹がボールを奪われるがファールはなし、ダイレクトで繋がれたボールは際どいタイミングながらもオフサイドなし、一気にDFの裏にフリーで抜け出されそのまま決められて3失点目。10人で奮闘するヴィアティン三重の反撃もここまでか…、沈むスタンド、一瞬声を失う実況の藤牧CC。

 

 

スコアは1-3、スタジアムDJ・川道氏による奈良クラブの3点目を決めた寺村選手のコールが終わっていない時、キックオフからボールを受けた㉔池田直樹が驚きのプレーを見せる。ハーフウェーラインより10m手前からドリブルを開始、パスの出し手が居ないと判断しドリブルで持ち込む。3人をかわして一気に奈良クラブゴール前へ、相手DFは目の前に4人、ジリジリと下がるのを見てそのままシュート!グラウンダーの速いボールは左のポストに弾かれて右サイドネットに突き刺さった。圧巻。沈みかけていたスタンドの雰囲気が一転、一気にボルテージが上がる。

 

 

 

まだ試合は終わらない。闘将・樋口靖洋監督はさらに闘志をむき出しにして選手たちを鼓舞する。池田のゴールで勢いは完全にヴィアティン三重。前へ前へとボールを運ぶ。84分には⑩田村が惜しいシュートを放つが枠を逸れる。引いて守る奈良クラブ、時間を使ってゲームを終わらせにかかる。この時間になっても前からのプレッシャーを掛け続けるヴィアティン三重。㉔池田、㉘寺下、㉟寺尾がドリブルで運んでゴールに近づく。

 

 

90分走り続けた⑩田村、ルーキーの㉗雨宮と交代、右サイドを走る。そして90+5分、左サイドから相手のスローイン。⑰野垣内が拾い、中の㉔池田が受ける。ボールを落ち着かせてそのままドリブル、ひとりかわして後ろから奈良の選手二人に追われながら前に進む。90分走り続けてきたとは思えない推進力でそのままゴール前へ。右から㉘寺下が㉔池田を追い越し、そこへ優しくパス、フリーでボールを受けた㉘寺下、迷わずダイレクトで右足を振り抜きシュート!同点ゴールを突き刺した。

 

 

 

またも㉔池田のドリブルからチャンスメイク、そして途中交代の㉘寺下が期待に応えた。勢いの止まらないヴィアティン三重はさらに追加点を狙うべく前を狙うが最後にピンチを迎える、しかし全員でしのいだところで試合終了、劇的な展開で3-3の引き分けに終わった。

 

 

誰もが完全に諦めかけていたゲームを劇的な展開からドローに持ち込んだ選手たち。歓喜に湧くサポーター・ファンたちとは裏腹に、落胆と少しの充実感、負けなかった安堵、またあらわになった課題、いろんな感情が複雑に入り乱れた選手たちの表情に笑顔はなかった。ただ、スタンドに詰めかけたサポーターたちに応える選手たちの背中はとても頼もしく見えた。最後まで電子チャントにあわせて拍手や手拍子を送ってくれたサポーターたちに「恥ずかしい試合は見せられない」と魂を燃やし続けた。

 

 

様々な想定外が起こるのがスポーツの面白いところ。その想定を超えるプレーを見せるのが選手たち、そして選手たちに期待を寄せ、共に闘うのがファン・サポーター。望んでいた展開、結果ではなかったかもしれないが、昨日のアサスタにはフットボールの面白さが凝縮されていた。プレーのクオリティ云々を言ってしまえばキリがないが、試合後のインタビューでキャプテン・谷奥健四郎選手が語ったように「オレたちのサッカーは間違っていない」。※第6節試合後コメント記事参照

僕たちのサッカーはここにある。

次は天皇杯三重県代表を決める最初の闘い、三重県選手権準決勝でFC.ISE-SHIMAと対戦する。SYMBOL of MIE、三重の象徴として相応しい存在になるために、共に闘おう。

 

 

第6節のボールパーソンはいなべ総合学園サッカー部のみなさん!

 

第6節・ホームゲームのボールパーソン、試合運営をいなべ総合学園サッカー部のみなさんがお手伝いしてくれました!部員にはヴィアティン三重アカデミー出身選手も在籍、元気に雨の中頑張ってくれました。試合前には今回も藤牧CCからメッセージが贈られましたので一部ご紹介!

藤牧CC「今日は試合のお手伝いという役割ではありますが、皆さんの中にも将来はJリーグや上のカテゴリーでのプレーを目指す選手がいることだと思います。こうやってファンやサポーター、多くのお客さんが見守るスタジアムで、自分だったらどんなプレーをするかな?今の場面はどう対処するかな?と選手の目線でも考えながら今日のお手伝いをしてもらえたら嬉しいです。」

この中から未来のヴィアティン戦士が生まれるかもしれない!(^^)

 

フォトギャラリー①

フォトギャラリー②

 

三重県選手権 準決勝 4/24 日 vs FC.ISE-SHIMA

  • 第27回三重県サッカー選手権大会
    天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会三重県代表決定戦
  • 試合日程:2022年4月24日(日)
  • 対戦相手:FC.ISE-SHIMA(東海リーグ1部)
  • 試合会場:三重交通グループ スポーツの杜 鈴鹿 メインG
  • 開始時間:14:00キックオフ